◎ロシアは旧ソビエト連邦のタジキスタン国内に軍事基地を保有している。
10月22日、ロシア軍とタジキスタン軍はアフガニスタンで活動するイスラム過激派組織やその他のジハード勢力の脅威に備えることを目的とする合同軍事演習を実施した。
演習はタジキスタンとアフガニスタンの国境から約20kmの地点に位置するモミラック訓練場で行われた。ロシアのメディアによると、演習には両国の兵士約5,000人が参加し、戦闘機、戦車、ガンシップなどを使った訓練も実施されたという。演習の期間は1週間と伝えられている。
タジキスタンのシェラリ・ミルゾ国防相は22日の声明で、「訓練はアフガニスタンの治安悪化に備えることを目的としている」と述べた。「アフガニスタンで活動するテロ組織は多くの近代兵器を入手し、勢力を拡大し、アフガニスタンだけでなく近隣諸国の脅威になりました...」
ロシア政府は「近隣諸国に影響を与えないというタリバンの公約を信頼している」と述べたが、アルカイダ、イスラム国(ISIS)とその関連グループ、アフガニスタン北部で活動しているジハード勢力は、中央アジア諸国を不安定化させる可能性があると警告した。
軍事演習を監督したロシア軍中央軍管区の副司令官であるイェフゲニー・ポプラフスキー中将は、起こり得る安全保障上の課題に対処する訓練を実施していると述べた。
ロシアは旧ソビエト連邦のタジキスタン国内に軍事基地を保有している。ロシアのメディアによると、今回の演習にはキルギスタンのロシア空軍基地の戦闘機も参加したという。
アフガニスタン北部で進行中のタリバンとISISの戦闘は中央アジア諸国に波及するという懸念を引き起こした。
ポプラフスキー中将は記者団に、「タリバンは全ての親ISIS組織を北部から追い出すか破壊するだろう」と述べ、生き延びた戦闘員が隣国に逃亡する可能性について言及した。「だからこそ、私たちはタジキスタンの領土に押し寄せてくるかもしれないテロリストに対処する訓練を実施するのです...」
ロシアは2003年にタリバンをテロ組織に指定したが、ロシア外務省はアフガニスタンの平和と安全を確立するためにはタリバンの存在が不可欠と主張し、2003年以降も接触を続けてきた。
ロシアは20日に中国、アフガニスタン、パキスタン、イラン、インド、中央アジアの旧ソビエト連邦諸国の高官を首都モスクワに招き、地域の安全保障について協議した。
一方、ウラジーミル・プーチン大統領は21日に行われた国際外交政策専門家との会議の中で、「タリバンをアフガニスタンの新しい統治者として公式に認める日は近づいている」と述べ、決定は国連の承認に基づいて行われるだろうと強調した。