◎ガザ地区で生活するパレスチナ人推定230万人のほぼ全てが避難を余儀なくされ、50万~100万人が飢餓に直面している。
イスラエル政府は4日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員450人以上がテロ組織の工作員として活動していると主張した。
米国を含む一部の西側諸国はUNRWAの職員12人が昨年10月7日のイスラエル領に対するハマスの先制攻撃に関与したと疑われる件が公になって以来、同機関に対する数億ドルの資金援助を差し止めている。
紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表であるパッテン(Pramila Patten)氏は4日、イスラエル領に対する先制攻撃の中でハマスが性的拷問やレイプ、女性に対する非人道的な扱いをしたという合理的な証拠があると明らかにした。
またパッテン氏はこの攻撃がイスラエルによるガザ侵攻の引き金となり、3万人を超えるパレスチナ人が死亡する事態となったと非難した。
国連によると、ガザ地区で生活するパレスチナ人推定230万人のほぼ全てが避難を余儀なくされ、50万~100万人が飢餓に直面している。
ガザで活動するUNRWA職員は約1万3000人。パレスチナにおける最大の援助提供者は西側の援助差し止めで危機的状況に置かれている。
イスラエル軍のハガリ(Daniel Hagari)報道官は4日、UNRWAの職員450人以上がイスラム過激派であることを裏付ける証拠があると主張したが、その証拠は示さなかった。
またハガリ氏は「これは組織的な問題であり、知らなかったでは済まされない」と述べ、UNRWAを糾弾した。「UNRWAの職員450人以上がテロ組織の工作員であり、知らなかったで済まされる問題ではありません。UNRWAはハマスの工作員がいることを認識していたのです..」
UNRWAはこの声明に反発。「イスラエルは職員数人を拘束し、拷問や虐待を用いてUNRWAとハマス、そして10月7日のイスラエル攻撃との関連について虚偽の自白を強要した」と主張した。
エジプトなどの仲介国による停戦交渉は難航しているものとみられる。イスラエルはエジプト・カイロの交渉に代表団を派遣せず、「ハマスが妥協しなければガザ南部ラファへの地上侵攻に踏み切る」と示唆している。