◎議員はライフル銃数百丁と拳銃をヨルダン川西岸地区に密輸しようとしたとされる。
イスラエルとヨルダンの国境(Getty Images)

イスラエル当局は7日、銃器などを密輸したとされるヨルダンの国会議員を釈放した。

この議員は2週間前に国境検問所を越えてヨルダン川西岸地区に入った直後に逮捕されたと伝えられている。

議員はライフル銃数百丁と拳銃を密輸しようとしたとされる。

ヨルダンとイスラエルの関係は冷え切っており、この事件は新たな火種になる恐れがあった。

イスラエル総保安庁(Shin Bet)によると、議員は4月22日、200丁以上の銃を西岸地区に持ち込もうとした。調査の結果、議員は昨年初めから計12回、外交パスポートを使って電子タバコや金など、様々な物品を西岸地区に持ち込み、売りさばいていた可能性があるという。

また同庁によると、この議員は西岸地区に何度も銃器を持ち込んでいたとのこと。

同庁は7日の声明で、「ヨルダン当局によるさらなる捜査が進められるため、容疑者を釈放した」と述べている。議員はヨルダンに引き渡されたとみられる。

ヨルダンの外務省は今のところ声明を出していない。

ヨルダンの国営テレビは関係者の話しとして、「議員は当局が入手した証拠に基づき、訴追される見通し」と報じた。

イスラエルとヨルダン当局は議員の認否を明らかにしていない。

ヨルダン川西岸地区ではこの1年、暴力事件が急増している。総保安庁によると、この地域にはヨルダンから密輸された銃を含む違法な銃器が大量に流通しているという。

ネタニヤフ政権は昨年末の発足以来、入植地の開発、西岸地区の取り締まり、東エルサレムの聖地をめぐる政策などでヨルダンとの関係を悪化させた。

両国の関係は2017年に在ヨルダン・イスラエル大使館の警備員がヨルダン人2人を射殺したことで劇的に悪化した。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。

東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの管理下に置かれたものの、1968年以降は東西ともイスラエルが事実上支配している。

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