◎アルジャジーラの記者はガザ紛争を最前線で取材し、イスラエルに批判的な論調を強めている。
2022年12月6日/オランダ、ハーグの国際刑事裁判所前、アルジャジーラの関係者と弁護士(Peter Dejong/AP通信)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は1日、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラがテロ攻撃を扇動していると主張し、放送ライセンスを剥奪すると表明した。

ネタニヤフ氏は声明で、「アルジャジーラがテロ攻撃を扇動、奨励している」と主張。それを「テロチャンネル」と呼び、ライセンスを剥奪すると誓った。

イスラエルとアルジャジーラの関係は2022年にヨルダン川西岸地区で記者のアクレ(Shireen Abu Aqleh)氏がイスラエル軍兵士に射殺された後、急速に悪化した。

アルジャジーラの記者はガザ紛争を最前線で取材し、イスラエルに批判的な論調を強めている。

そのライセンスが剥奪されれば、仲介国のひとつであるカタールとの緊張が高まる可能性もある。

イスラエルは長年、アルジャジーラがパレスチナ寄りの偏向報道を「垂れ流している」と非難してきた。

一方、アルジャジーラはイスラエル軍兵士が故意にアクレ氏を射殺したと主張し、国際刑事裁判所(ICC)に調査を要請した。

イスラエルはこれを否定し、兵士が誤ってアクレ氏のいる方向に向けて発砲したと反論している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は3万2500人を超え、今も増え続けている。

昨年12月にはイスラエルの空爆により、ガザ南部で取材に当たっていたアルジャジーラのカメラマンが死亡。同局のガザ支局長が負傷した。

アルジャジーラは今年1月、イスラエル軍がガザ支局長の息子を殺害したと発表。空爆に巻き込まれたとみられる。

イスラエル軍はその後、ガザ支局長の息子が昨年10月7日のイスラエル領への攻撃に参加したと主張。ガザ地区のイスラム組織「イスラム聖戦」のメンバーだったと発表した。

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