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イスラエル軍、レバノン南部で地上作戦強化、対ヒズボラ戦


イスラエル軍は親イラン組織ヒズボラが拠点とする南部国境の町の制圧を目指し、地上作戦を進めている。
2026年4月13日/レバノン南部のイスラエル国境近く(ロイター通信)

イスラエル軍は13日、レバノン南部国境沿いに対する攻勢を強め、米国主催の協議を目前に控えながらも戦闘の激化が続いている。外交的打開が模索される中での軍事行動に、停戦への道筋はなお不透明な状況となっている。

報道によると、イスラエル軍は親イラン組織ヒズボラが拠点とする南部国境の町の制圧を目指し、地上作戦を進めている。部隊は町をほぼ包囲し、数日以内に完全掌握できるとの見方も示されている。この町はイスラエル国境に近い戦略的要地で、ヒズボラにとって象徴的な拠点でもあるため、双方にとって重要な戦場となっている。

戦闘では激しい地上戦が続き、ヒズボラはロケット弾や無人機(ドローン)による攻撃で応戦。イスラエル側も空爆や砲撃を伴う作戦を展開し、周辺地域への攻撃も拡大している。ロイター通信によると、イスラエル軍は複数の建物を空爆し、赤十字関連施設が被害を受けるなど、民間人や人道機関への影響も懸念されている。

こうした中、米ワシントンDCではイスラエルとレバノンの政府代表による協議が予定されている。両国が正式に戦争状態にある中での直接対話は異例で、戦闘の沈静化に向けた重要な機会と位置付けられている。レバノン側はこの場で停戦を強く求める構えだが、イスラエルは軍事作戦の継続を示唆しており、交渉の行方には懐疑的な見方が広がっている。

さらに、ヒズボラおよび同調勢力は停戦前の協議に否定的な立場を取り、レバノン国内でも意見が分かれている。政治的な足並みの乱れは交渉の実効性を弱める要因となり、和平プロセスの前途を一層不透明にしている。

今回の衝突はイランと米国の間で成立した一時的な停戦の枠組みの中でも続き、地域全体の緊張を高める要因となっている。イスラエルは対ヒズボラ戦をこの停戦とは別問題と位置付け、軍事行動を継続する姿勢を崩していない。

レバノンでは3月初めに戦闘が再燃して以降、2000人以上が死亡し、100万人規模の市民が避難を余儀なくされている。医療体制やインフラへの負担も深刻化し、人道状況が急速に悪化している。

今回の攻勢強化は軍事的優位を確保した上で交渉に臨もうとするイスラエルの戦略との見方もある。一方で、戦闘の継続は報復の連鎖を招き、さらなる衝突拡大のリスクを高めている。外交と軍事が並行する状況の中で、停戦合意に向けた実質的な進展が得られるかは依然として見通せない状況だ。

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