◎クルド自治政府は声明で、「この空爆により、民間人少なくとも4人が死亡、6人が負傷した」と明らかにした。
イラン政府は15日遅く、イラクとシリアのイスラム国(ISIS)を含むテロ組織の拠点を弾道ミサイルで破壊したと発表した。
この声明の数時間前、イラク北部・クルド自治区の中心都市アルビルにある米国領事館近くで爆発があり、民間人4人が死亡、6人が負傷したとみられる。
その後まもなくイラン革命防衛隊(IRGC)が爆発に関与したと声明を出し、「弾道ミサイルでスパイの本部と反イランテロリストを破壊した」と主張した。
クルド自治政府は声明で、「この空爆により、民間人少なくとも4人が死亡、6人が負傷した」と明らかにした。
イラクの元国会議員はX(旧ツイッター)にコメントを投稿。「イランのミサイル攻撃で地元の著名な実業家とその家族が死亡した」と書き込んだ。
IRGCは声明の中で、「イラクとシリアに拠点を置くISISなどのテロ組織に弾道ミサイル数発を撃ち込んだ」と述べている。
またIRGCは別の声明で、「イラクのクルド地域にあるイスラエルの対外諜報機関モサドの基地を攻撃した」と主張した。
ISISは今月初め、2020年1月の米軍によるドローン空爆で死亡したIRGCのソレイマニ(Qassim Soleimani)司令官の追悼式典で自爆テロを決行したと主張。このテロにより、少なくとも84人が死亡、284人が重軽傷を負った。
イランは先月、イスラエル軍がシリア・ダマスカス近郊への空爆でイラン政府高官を殺害したと非難していた。
AP通信はイラク治安当局者の話しとして、「弾道ミサイル数発がアルビルに着弾した」と伝えているが、それ以上の詳細は不明。
イランの支援を受けるイラク民兵組織の関係者はAPに、「米国領事館近くの地域に10発のミサイルが着弾した」と語った。
米政府高官によると、アルビルへのミサイル攻撃で米国領事館と米軍の拠点が被害を受けたという報告は入っていないという。
イランはパレスチナ・ガザ地区に侵攻した宿敵イスラエルとその同盟国である米国に対し、ガザ侵攻を停止しなければ「取り返しのつかない事態になる」と警告してきた。