◎最高裁はサレヒさんに対する判決を「過剰」と判断し、地裁に再審を命じた。
イランの最高裁判所が著名な反体制派であるラッパーのサレヒ(Toomaj Salehi)さんの死刑判決を覆した。弁護士のアミール(Amir Raisian)氏が22日、明らかにした。
それによると、最高裁はサレヒさんに対する判決を「過剰」と判断し、地裁に再審を命じたという。
サレヒさんは虚偽の情報を発信し、政府の名誉を著しく傷つけた罪などに問われていた。
アミール氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「最高裁はサレヒ氏の過去の裁判にも問題があると指摘した」と書き込んだ。
サレヒさんは政府を非難する楽曲を発表したことで2021年に逮捕。釈放された後も活動を継続し、指導部を非難する楽曲やミュージックビデオを発信し続けた。
22年にはイスラム教のスカーフ(ヒジャブ)を着用しなかったとして警察官に殴り殺されたアミニ(Mahsa Amini)さんへの支持を表明。SNSなどで指導部を厳しく非難していた。
サレヒさんは4月に中部イスファハンの裁判所で死刑を言い渡された。
国連や欧米諸国はこの判決を非難。一部の国はサレヒ氏を解放する要求していた。