イラン「米国の新たな提案を検討中」”覚書”締結に近づく
イラン外務省の報道官は提案に対する正式な回答を近く示すと説明し、その伝達は仲介役を担うパキスタンを通じて行われると明らかにした。
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イラン政府は6日、米国から提示された新たな提案について、「検討中である」と明らかにした。これは、両国がペルシャ湾で続く軍事的緊張の終結に向けた合意に近づいているとの報道を受けた発言で、交渉が重要な局面に入っていることを示している。
ロイター通信によると、米国とイランは戦闘終結に向けた「覚書」をかわすことで合意に近づいている。この文書は停戦と今後の本格協議の枠組みを定めるもので、複雑な問題については以降の交渉に委ねる構成となっている。特にイランの核開発問題などの難題は、現段階では詳細に扱われていないとされる。
イラン外務省の報道官は提案に対する正式な回答を近く示すと説明し、その伝達は仲介役を担うパキスタンを通じて行われると明らかにした。パキスタンはこれまで仲介国として、両国間の主要な連絡ルートとなっている。
提案の内容については、イランによるウラン濃縮の一時停止や、米国による制裁緩和、凍結資産の解放、さらにホルムズ海峡の通航制限の緩和などが柱とされる。一方で、弾道ミサイル開発や中東での武装組織支援といった、米国が従来重視してきた問題には触れられていないとされ、包括的な合意にはなお隔たりが残る。
トランプ(Donald Trump)米大統領は6日、交渉に「大きな進展」があるとしつつも、イランが条件を受け入れなければ軍事行動を強化する可能性にも言及した。また、ホルムズ海峡の航行再開を目的とする海軍作戦「プロジェクト・フリーダム(フリーダム計画)」を一時停止するなど、交渉進展を踏まえた柔軟姿勢も示している。
一方、イラン側は提案について慎重な姿勢を崩していない。議会関係者からは今回の案が「米国の希望リストに過ぎない」との批判も出ており、より公平で包括的な合意を求める立場を強調している。アラグチ(Abbas Araghchi)外相も中国訪問中に「公正で包括的な合意が必要だ」と述べ、譲歩には限界があるとの認識を示していた。
こうした交渉進展への期待は市場にも影響を与え、一連の報道を受けて原油価格は大きく下落した。中東情勢の安定化が現実味を帯びれば、エネルギー供給への懸念が和らぐとの見方が広がっている。
もっとも、現時点で正式な合意には至っておらず、双方の立場の隔たりも大きい。仮に暫定的な覚書が成立した場合でも、その後30日間の詳細交渉を経て最終合意を目指す見通しである。中東情勢の安定化に向けた重要な転機となる可能性がある一方、交渉の行方は依然として不透明である。
