◎イスラエルとヒズボラは2006年夏に1ヶ月に及ぶ戦争(レバノン侵攻)を戦った仇敵である。
2017年11月8日/レバノン南部、イスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員(Mahmoud Zayyat/AFP通信/Getty Images)

レバノンイスラム教シーア派組織ヒズボラが国境沿いに設置されているイスラエル軍の監視カメラの一部を破壊した。ヒズボラの報道官が16日、明らかにした。

それによると、イスラエル国境沿いに展開した部隊が少なくとも5つの監視カメラをライフルで狙撃・破壊したという。

イスラエル軍はパレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの全面戦争に突き進む中、レバノン国境にも注意を払っている。

ヒズボラのメディア部門はソーシャルメディアに動画を投稿。イスラエルの監視カメラを破壊する様子を公開した。

イスラエル兵とヒズボラ戦闘員によるここ数日の銃撃戦では10数人が死亡したとされる。ヒズボラはイスラエルの国境監視を妨害したいようだ。

イスラエル軍によると、ヒズボラはイスラエル全土を攻撃可能な精密誘導ミサイルやロケット弾を約15万発保有しているとみられる。

ヒズボラはシリア内戦にも兵士を数千人派遣しており、様々なタイプの軍用ドローンも保有している。

経験豊富なヒズボラの戦闘員たちはイスラエル軍とハマスの紛争が勃発して以来、イスラエル国境沿いで厳戒態勢を取っている。

イスラエルとガザ地区の死者は4000人を超え、増加し続けている。イスラエル軍のガザ地上侵攻が始まれば、さらに多くの民間人が犠牲になる可能性が高い。

イスラエルとヒズボラは2006年夏に1ヶ月に及ぶ戦争(レバノン侵攻)を戦った仇敵である。

イスラエルは宿敵イランの支援を受けるヒズボラを国家安全保障の最大の脅威のひとつとみなし、秘密裏に核開発を推し進めてきた。

イスラエルは核弾頭(地上発射型ミサイル)を80~100発保有していると推定されるが、その保有を認めたことは一度もない。

レバノン国会のヒズボラ議員団は15日、「我々はあらゆる可能性に備えている」と声明を出し、「次のステップが何であるかは明らかにしたくない」と警告した。

また議員団は「次のステップに移行するかどうかはイスラエルにかかっている」と述べ、ガザに侵攻すれば参戦もあり得ると強く示唆した。

イランアブドラヒアン(Hossein Amirabdollahian)外相もイスラエルにガザ空爆を停止するよう求め、「応じなければイスラエルは大戦という名の巨大地震に見舞われる」と警告している。

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