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アフガニスタンとパキスタン国境沿いで銃撃戦、緊張高まる

タリバンはパキスタンの国境警備所3カ所を制圧したと主張。これに対しパキスタン当局は、自国軍が複数のアフガン検問所を破壊したと反論した。
パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州、北ワジリスタン郊外(Getty Images)

アフガニスタンとパキスタンの国境沿いで銃撃戦が発生した。パキスタン当局が11日、明らかにした。

パキスタン当局は声明で、アフガン側からの「挑発的な発砲」に対し、武力で対応していると表明。国境沿いの6カ所以上で交戦が発生したと明らかにした。

タリバンはパキスタンの国境警備所3カ所を制圧したと主張。これに対しパキスタン当局は、自国軍が複数のアフガン検問所を破壊したと反論した。

パキスタン軍は今週、アフガン領内に拠点を置くパキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点とされる施設を空爆。アフガン・タリバンはこれを主権の侵害と糾弾した。

アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州では近テロが多発。その多くにTTPと反政府勢力バルチスタン解放軍(BLA)が関与している。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。

パキスタン当局は現在、この2州と周辺地域で大規模な対テロ作戦を実施中である。

パキスタン当局が公開した映像には、アフガン方向へ向けた砲弾を発射する兵士の姿が映っていた。

タリバン暫定政権の報道官は声明で、「この攻撃はパキスタンによる主権侵害への報復である」と説明。11日深夜に攻撃を終了したと主張した。

また報道官は「敵勢力が再びアフガンの領土に侵入したり、領土を攻撃した場合、我が軍は強力な対応を行う」と強調した。

戦闘が終わったかどうかは不明。死傷者の有無も明らかになっていない。

タリバン政権の外相は今週インドを訪問し、関係強化で合意した。この訪問はパキスタンでさらなる懸念を引き起こした。

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