◎トルコ情報通信技術庁は先週、インスタへのアクセスを遮断。それ以来、トルコ国内の数百万人のユーザーがインスタを利用できずにいる。
トルコのエルドアン大統領(Bloomberg)

NATO第2の軍事力を誇るトルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は5日、米IT大手メタが運営する画像共有アプリ「インスタグラム」がパレスチナ自治区の殉教者の写真を検閲したとして、同社を「ファシスト企業」と呼び、激しく非難した。

トルコ情報通信技術庁は先週、インスタへのアクセスを遮断。それ以来、トルコ国内の数百万人のユーザーがインスタを利用できずにいる。

NATOのじゃじゃ馬であるエルドアン氏は首都アンカラの人権イベントで演説。パレスチナの殉教者の写真を検閲したとされるインスタを「デジタル・ファシズム」と非難した。

情報通信技術庁はインスタブロックの理由を明らかにしていないが、政府関係者によると、インスタがトルコのルールを守らなかったためだという。

その後、国営アナトリア通信は当局者の話しとして、「インスタはパレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ(Ismail Haniyeh)氏を称えたトルコ人ユーザーの投稿を削除したため、その報復として遮断された」と報じた。

エルドアン氏は「あのSNS会社はパレスチナの殉教者の写真さえ許さず、即座に禁止している。我々は自由を装ったデジタル・ファシズムに直面しているのだ」と語った。

西側の同盟国とは異なり、トルコはハマスをテロ組織に指定していない。エルドアン氏はガザ地区におけるイスラエルの軍事行動を強く非難する一方、ハマスによるテロ攻撃を解放運動と表現している。

エルドアン氏は「あのSNS会社はトルコでテロリストとみなされているグループ(クルド系組織)によるあらゆる種類のプロパガンダを放置している」と非難した。

エルドアン氏によると、関係機関がインスタと協議しているものの、遮断が解除される見通しは立っていないという。

アナトリア通信は政府高官の話しを引用し、「インスタは暴力の扇動、拷問、わいせつ、反逆行為、児童虐待を含む重大犯罪を助長したり、犯罪行為を黙認しているにもかかわらず、パレスチナの殉教者の写真や哀悼のメッセージは積極的に検閲している」と報じている。

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