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イラン元皇太子「現指導部と交渉すべきでない」米保守系集会で演説


レザ氏は1979年のイスラム革命で追放された最後の君主の長男であり、イラン反体制派勢力の有力人物として知られている。
イランのレザ元皇太子(ロイター通信)

イランのレザ(Reza Pahlavi)元皇太子は28日、米テキサス州で開催された保守政治行動会議(CPAC)の壇上で、現在のイラン指導部との交渉や和平合意を結ぶべきではないと強く警告した。レザ氏は現政権との「取引」は脅威を除去するどころか米国や同盟国に対する危機を先送りするだけだとの見解を示し、交渉相手として不適格であると主張した。

レザ氏は1979年のイスラム革命で追放された最後の君主の長男であり、イラン反体制派勢力の有力人物として知られている。レザ氏は会議の中で、イランの現体制を「欺瞞(ぎまん)的で平和の実現に真摯でない」と評し、和平や核問題などを口実に交渉を進めることで指導部が時間を稼ぎ、再び敵対行動を強めるリスクがあると述べた。

またレザ氏はこの機会に、自身を「移行期政府」の指導者として位置づけ、47年間の亡命生活を経て、自らイランに戻る意思を明らかにし、「自由なイラン」は米国にとって戦略的かつ経済的利益をもたらすとの見解を示した。そして、イラン政府のスローガンである「アメリカに死を」を「アメリカに祝福を(God bless America)」に変える未来が可能だと述べ、現体制の根本的な変革を訴えた。

一方で、イラン国内の反体制勢力は依然として分裂状態にあり、統一された指導体制が確立しているとは言い難い状況が続いている。レザ氏自身のリーダーシップ能力を巡っても見方が分かれ、米国内の一部保守派を中心に支持はあるものの、広範な支持を得られているかについては不透明な面がある。さらに、トランプ(Donald Trump)大統領はレザ氏のリーダーとしての適格性に懐疑的な姿勢を示したことがある。

レザ氏はスピーチの中で、イラン国民を動員し変革を実現する決意を繰り返した。適切な時期が来れば新たな抗議デモを呼びかける意向を示し、体制打倒と民主的な改革への道筋を強調した。また「戦略的忍耐ではなく行動」が必要で、米国や国際社会がイランの現指導部と交渉することは現実的な解決を妨げると強調した。

この発言はイラン情勢が中東地域での安全保障環境に大きな影響を及ぼしている時期に出されたものだ。現在の中東情勢では、米国とイスラエルが軍事的圧力を強化する一方で、国際社会は外交的解決策の模索を続けている。イラン国内では最高指導者の死亡後、政治的権力構造の変化が進行しているとみられ、外部からの圧力と内部の対立が複雑に絡み合っている。こうした中で、レザ氏の発言はイランの将来と米国の外交政策に対する一つの見解として国際的に注目を集めている。

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