◎ジョー・バイデン大統領はイエメンのシーア派反政府武装組織「フーシ」に対するテロ指定をまもなく取り消すという。
2021年2月5日 AP通信/ワシントンD.C.ホワイトハウス、ジョー・バイデン大統領

米主要メディアによると、ジョー・バイデン大統領はイエメンのシーア派反政府武装勢力「フーシ」に対するテロ指定をまもなく取り消すという。

トランプ前大統領は先月、フーシ派の「アンサー・アッラー」を外国テロ組織(FTO)に指定した。

人道支援団体およびその他の援助機関はこの決定を「数百万人に対する死刑宣告」と呼び、トランプ政権を厳しく非難した。

アンサー・アッラーを含むフーシ派民兵グループは「イエメンのほぼ全域」を支配している

FTOに指定されたアンサー・アッラーに支援(物資、データなど)を提供することは違法である。つまり、公式の免除がなければ、アンサー・アッラーの支配下に置かれている市民に食糧を提供することはできない

バイデン大統領は数年に渡る厳しい内戦と飢餓に苦しんでいるイエメンの家族と子供への援助を優先した。

ABCニュースによると、国務省の高官(匿名)がアンサー・アッラーに対するFTOの取り消しを認めたという。ただし、高官は、「指定を解除しても、イエメンの市民、そしてアメリカ人を誘拐したフーシ派武装勢力に対するバイデン政権の見解は何も変わらない」と強調した。

国務省の高官(匿名):
「FTOの解除は、前政権の土壇場の指定で発生した人道的危機に対処するものである。国連と人道支援団体は、FTOが世界最悪の人道的危機を加速させると警告している」

国連および人道支援団体は、イエメンの市民約2,400万人(総人口の約80%)に物資と医療を提供し続けている。

バイデン大統領は4日の記者会見で、「フーシ派武装勢力への攻撃を継続しているサウジアラビアに対する武器の支援を停止する」と発表し、イエメン内戦における人道的危機に対処する姿勢を示していた。

2015年、オバマ政権はイエメンの領土で暗躍するフーシ派を対象としたサウジアラビアのドローン攻撃を承認した。米サウジの爆撃に憤慨したフーシ派は、サウジアラビアの中枢を狙ったドローンとミサイル攻撃を継続している。

アメリカは最新鋭の武器を提供することで、空爆による死傷者の数を最小限に抑えるつもりでいた。しかし、ドローンはバスに乗車した学生や漁船の漁師を含む多くの民間人を殺害した。

コネチカット州のクリス・マーフィー上院議員(民主党)はバイデン政権の対応を称賛し、「FTOはフーシ派には大きな影響を与えず、食糧やその他の支援を必要とする市民の命を脅かしていた」と述べた。

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