◎タリバンとイランの関係は前進しつつあると伝えられている。
2021年9月12日/アフガニスタン、首都カブールの住宅街をパトロールするタリバンの戦闘員(フェリペ・ダナ/AP通信)

アフガニスタンの現地メディアによると、タリバンはイギリスの外交当局者と首都カブールで会談したという。

タリバンの報道官は声明で、両国の外交代表は首都カブールで10月5日に会談したと述べた。タリバンはイランの代表と4日に会談している。

現地メディアによると、タリバンはイギリスのアフガニスタン政府移行代表を務めるサイモン・ガス氏とカタールのイギリス代理大使マーティン・ロングデン氏と会談したという。イギリスの外交当局者がタリバンと公式に会談するのは8月15日の政権崩壊以来初。

会談後、ロングデン大使はソーシャルメディアに、「タリバンの代表と人道的危機、テロ、イギリスとアフガニスタンの安全保障、女性と少女の権利などについて議論した」と投稿した。

しかしロングデン大使は、「タリバンは公式政府として認められることを望んでいるが、イギリス政府は現在のタリバンを認めない」と強調し、会談を「テスト」と呼んだ。

一方、タリバンの報道官は声明の中で、「アフガニスタンは全ての国との良好な関係を約束する」と述べ、「その見返りとして、アフガニスタンの資産をタリバンに返還してほしい」と要求した。アメリカはアフガニスタン中央銀行の米国口座の資産数十億ドルを凍結している。

タリバンとイランの関係は前進しつつあると伝えられている。

タリバンのビラル・カリミ報道官は5日の記者会見で、「4日にイランの代表と会談し、貿易や安全保障について協議した」と述べた。カリミ報道官によると、両国は国境検問所における貿易の取引時間を現在の8時間から24時間に拡大することや、関税の徴収方法などについて合意したという。

アフガニスタンの経済活動は国際社会の援助に大きく依存しており、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の援助停止と中央銀行の資産凍結はタリバンの資金繰りを劇的に悪化させた。

タリバンは政権奪取直後、女性や少数民族の権利を保証すると国際社会に約束した。しかし、一部の州政府は少女を学校から排除し、女性は職を失い、内閣はひげを生やした男で構成された。

女性の権利保護を訴える集会は首都カブールや他の都市で続いており、カブールの私立学校近くには女性教師と女学生で構成されるデモ隊が集まった。タリバンは無許可のデモを禁じているため、女性たちは屋内でデモを行った。

国連はアフガニスタンの悲惨な経済状況に警鐘を鳴らし続けている。国連の児童局は、「深刻な食糧不足は飢餓に発展し、今後5歳未満の国民の半数以上が栄養失調に苦しむと予想されている」と警告した。

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