◎ISISとその関連組織はイラクとシリアで活動を活発化させているように見える。アフガンの関連組織もこの数カ月、各地でテロ攻撃を続けている。
イスラム国(ISIS)は30日、最高指導者のアブハサン・ハシェミ・クラシ(Abu Hasan al-Hashemi al-Qurashi)が戦闘で死亡したと明らかにした。
ISISの報道官は声明(音声)でハシェミ・クラシが最近の戦闘で死亡したと説明したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。アブ・フセイン・フセイニ・クラシ(Abu al-Hussein al-Husseini al-Qurashi)が跡を継ぐとしている。
ハシェミ・クラシは今年殺害された2人目のISIS指導者である。
ISISとその関連組織はイラクとシリアで活動を活発化させているように見える。アフガンの関連組織もこの数カ月、各地でテロ攻撃を続けている。
ハシェミ・クラシの詳細はほとんど明らかになっていない。
ハシェミ・クラシは今年2月の米軍による空爆で死亡したアブイブラヒム・ハシミ・クラシ(Abu Ibrahim al-Hashimi al-Quraishi)の跡を継ぎ、最高指導者に就任した。
ISIS指導者の名前は本名ではなく、イスラム教の預言者ムハンマドの部族の末裔であると主張する必要があり、クラシはその部族を指している。
ISIS報道官は声明の中で、「彼は神の敵と戦い、戦場で殺される前に何人かを殺して死んだ」と述べている。
また報道官はフセイニ・クラシが新しい指導者に就任したと明らかにした。
報道官によると、フセイニ・クラシはベテラン戦闘員のひとりであり、ムハンマドとISISに忠誠を誓っているとう。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー(John Kirby)報道官は30日、ISIS指導者の死について、「ニュースを歓迎する」と述べるにとどめた。
ハシェミ・クラシがどの戦闘で死亡したかは明らかになっておらず、カービー氏も現時点で米国が提供できる作戦の情報はないとしている。
一方、アフガンのタリバンは30日、北部の宗教学校で爆弾が爆発し、少なくとも16人が死亡したと発表した。犯行声明は出ていないようだが、ISIS系組織のひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃と疑われている。
ISISは10年ほど前に国際テロ組織アルカイダから離脱し、シリア北部と東部、イラク北部と西部の大部分を支配した。
ISISは2014年、カリフ制国家の樹立を宣言し、世界中の支持者を魅了した。
2019年3月、米国の支援を受けるシリアの民兵はイラクと国境を接するシリア東部の最後の占領地をISISから奪還。それ以来、ISISの戦闘員は散発的な攻撃を続けている。