◎イェさんは数年前に双極性障害と診断され、メンタルの問題を抱えていると公言している。
米国を代表するラッパーのカニエ・ウェスト（本名イェ）さんは2日、不安定なツイートを連投し、そのうちの1つでナチスのシンボル「ハーケンクロイツ（鉤十字：卍）」とナチスがユダヤ人に着けさせた黄色い星を組み合わせたように見えるシンボルを投稿し、非難された。
ツイッターのマスク（Elon Musk）CEOはあるユーザーから「カニエを何とかしろ」と懇願された。
マスク氏はイェさんが暴力の扇動を禁じるツイッター社のポリシーに違反したとして、アカウントを一時的に凍結したと発表した。
イェさんは1日、陰謀論者で自己破産したジョーンズ（Alex Jones）氏との対談でアドルフ・ヒトラー（Adolf Hitler）を称賛し、罪、ポルノ、悪魔について喚き散らした。
ジョーンズ氏は米コネティカット州の銃乱射事件を「やらせ」と呼び、犠牲者遺族に苦痛を与えたとして裁判所に損害賠償15億ドルを支払うよう命じられていた。
複数のユダヤ関連団体がイェさんを非難し、イギリスのホロコースト教育機関は「反吐が出る」と断じた。「彼の発言と、彼の知名度や膨大な数のファンの組み合わせは危険な結果をもたらします...」
イェさんはこの数カ月、反ユダヤ主義や人種差別的な発言を連発し、複数のスポンサー契約を失った。
イェさんは10月に反ユダヤ的なツイートを投稿し、インスタにも同様のコメントを書き、両アカウントを凍結された。両SNSはイェさんの差別投稿を削除している。
これらの投稿はイェさんがパリのファッションウィークで披露した「ホワイト・ライブズ・マター（White Lives Matter、白人の命が大切）」Tシャツに批判が集まったことに対する反発と考えられている。
反ユダヤ主義を監視する人権団体「名誉毀損防止同盟（ADL）」によると、このフレーズは白人至上主義者（ネオナチやKKKなど）が2015年頃から使い始めたという。
イェさんは数年前に双極性障害と診断され、メンタルの問題を抱えていると公言している。
しかし、医療専門家や同じ障害を抱える人々は、「メンタルの問題と反ユダヤ主義を結び付けるべきではない」と警告している。
