◎サイクロン・モカは先月、同国西部ラカイン州とその周辺地域を直撃。数百人が死亡したと推定されているが、被害の全容は明らかになっていない。
2023年5月19日/ミャンマー、西部ラカイン州、サイクロン・モカの影響を受けた町の通り(AP通信)

国連は2日、ミャンマーのサイクロン被災地に必要な支援物資が届かず、人道危機に拍車がかかり、大規模な食料危機に発展する恐れがあると警告した。

サイクロン・モカは先月、同国西部ラカイン州とその周辺地域を直撃。数百人が死亡したと推定されているが、被害の全容は明らかになっていない。

最大都市ヤンゴンに拠点を置く国連代表のミトラ(Titon Mitra)氏はジュネーズの記者団に対し、「サイクロンがもたらした惨状は本当に計り知れない」と述べ、国際社会に支援を呼びかけた。「暴風で通信塔がねじれ、コンクリート柱が真っ二つに折れ、多くの大木が根こそぎ倒れました...」

国連によると、推定70万戸の家屋が全壊または損壊し、高潮の影響で農業や漁業に壊滅的な被害が出たという。

被災者の中には2017年の軍政による弾圧で隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされた少数民族ロヒンギャの国内避難民が含まれている。

国連機関は廃棄物が水源・水路を汚染し、赤痢などの疾病が増加傾向にあると警告している。

ミトラ氏によると、軍政は被災地にある程度の支援を提供しているが、もっと多くの救援物資、特に飲料水、食料、医薬品が必要だという。

「国際社会は被災地につながる人道回廊を確立する取り組みを支援しなければなりません。これは緊急の要求です。救援物資が全く足りません...」

またミトラ氏は緊急のニーズに加え、郊外の町や集落と市場を結ぶ道路・橋が洪水で流されてしまい、種子のストックも流出したため、飢餓のリスクが高まっていると警告した。

ミトラ氏は「数週間以内に作付けを行えなければ、数カ月以内に大規模な食料危機を引き起こす可能性がある」と述べた。

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