◎スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。
スペイン、首都マドリードの通り、日傘をさす女性(Getty Images)

スペイン国立気象局(AEMET)は7日、同国の今春の気温が観測史上最も高くなったと発表した。

AEMETの報道官によると、この極端な暑さと乾燥は昨年に続くものであり、来年以降も継続もしくは悪化する可能性があるという。

スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。

先月は各地で少量ながらも降雨を観測した。しかし、水不足を解消するには至らず、全国の貯水率は50%を下回り、減少傾向が続いているようだ。

首相府は6日の声明で、「全国の貯水率が47.4%まで低下し、減少傾向を強めている」と警告。市民により一層の節水を呼びかけた。

AEMETによると、同国の昨年の海水温は1940年に統計を取り始めて以来、最も高かったという。海水温の上昇は海洋生物を危険にさらす。

またAEMETは内陸部の状況も一層不安定になったと警告した。「このような高温は森林火災の可能性を高め、人間の健康と生態系の両方に影響を及ぼします...」

AEMETは今夏の降水量を「平年並み」、気温を「非常に高い」と予想している。

サンチェス(Pedro Sanchez)首相は先月、節水の影響を最も強く受け苦境に立たされている農家などへの支援として、22億ユーロ規模の干ばつ対策を発表した。

スペインは新鮮な果物や野菜の生産・輸出で欧州をリードしている。サンチェス氏は4月、EUの執行機関である欧州委員会に対し、農業部門向けの緊急支援を要請した。

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