アマゾンで広がる太陽光発電、ディーゼル依存を脱却しエルニーニョの干ばつに備える
森林を守る先住民や地域住民の生活基盤を強化することは、世界的な気候調整機能を持つアマゾンの森林を守ることにも直結する。
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ブラジル・アマゾンの遠隔地で、太陽光発電を活用してディーゼル発電機への依存を減らす取り組みが広がっている。電力を安定的に確保するだけでなく、深刻な干ばつへの備えや生活環境の改善、森林保全にもつながる動きとして注目されている。
アマゾン川の支流にある先住民コミュニティでは、2024年の歴史的な干ばつで住民が水を求めて最大20キロ歩かなければならなかった。今年6月には太陽光パネルを使って給水ポンプを稼働させ、貯水タンクに水をくみ上げる設備を導入した。この結果、36世帯すべてに清潔な水を供給できるようになり、次の干ばつへの備えが進んだ。
これまで同地域では、電力をディーゼル発電機に頼るケースが多かった。しかし燃料は高価で、購入のために最寄りの都市まで約3時間ボートで移動する必要がある。発電機も夜間には停止し、冷蔵庫を十分に動かせないなど、供給能力に限界があった。
そこで太陽光発電が代替手段として急速に普及している。アマゾンの遠隔地に設置された系統外電源システムは2020年には105基だったが、2022年には1万1000基を超え、2026年には10万基以上に増加した。ブラジルでは人口の99%以上が電力を利用できる一方、電力網の整備が難しいアマゾンにはなお約100万人の未電化人口が残る。
太陽光発電の効果は家庭だけにとどまらない。診療所ではワクチンの冷蔵保存や遠隔医療、医療機器の使用が可能になり、学校では騒音の大きいディーゼル発電機が不要になった。冷蔵設備の導入によって、生徒に缶詰ではなく新鮮な食材を提供できるようになった学校もある。
また、太陽光と蓄電池を組み合わせ、アサイー加工など地域産業に電力を供給する試みも始まっている。ディーゼル発電による電力不足で収穫物が腐る問題を減らし、生産活動を安定させる狙いだ。
アマゾンでは今後、エルニーニョ現象によって干ばつが深刻化する可能性が指摘されている。太陽光発電は単なる脱炭素技術ではなく、電力、水、医療、教育、地域経済を支える基盤となりつつある。
森林を守る先住民や地域住民の生活基盤を強化することは、世界的な気候調整機能を持つアマゾンの森林を守ることにも直結する。
