◎タール火山はフィリピンで最も活発な火山のひとつで、バタンガス州のタール湖内に位置する。
2022年3月26日/フィリピン、ルソン島のタール火山(Reynante Olitan De Villa/AP通信)

フィリピン・首都マニラの南方に位置するタール火山(311m)で小規模な噴火が確認され、バタンガス州の25の市町村が予防措置として学校を閉鎖した。現地メディアが22日に報じた。

それによると、タール火山の麓で火山ガスが確認され、学生数十人が体調不良を訴えたという。

フィリピン火山地震研究所は22日、タール火山の活動状況について、「低レベルの噴火にとどまっており、大規模噴火の兆候は現時点ではみられない」と説明した。

しかし、ここ数日の噴火で二酸化硫黄を含んだ火山ガスが近隣の集落に流れ込み、学生少なくとも45人が皮膚、目、喉の痛みを訴えたという。

バタンガス州の25の市町村は生徒の安全を確保するため、対面授業を一時中断した。一部の学校はオンライン授業で対応するとしている。

マニラ郊外でも降灰が確認された。健康被害は報告されていない。

タール火山はフィリピンで最も活発な火山のひとつで、バタンガス州のタール湖内に位置する。

フィリピンの火山はすべて環太平洋火山帯に沿って形成されている。1991年に発生したピナツボ火山の噴火では火砕流と火山泥流が発生し、少なくとも847人が死亡、数千の家屋が被害を受け、100万人以上が被災した。

タール湖はマニラの南方約60キロに位置し、人気の観光スポットである。

タール火山の直近の大規模噴火は2020年1月に発生。この時は数十万人が避難を余儀なくされ、火山灰はマニラ首都圏の中心部に到達、空の便にも影響が出た。

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