◎パキスタンの雨季は6月から本格化する。2022年夏の豪雨では国土の3分の1が水没し、1700人以上が死亡した。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州郊外の氷河が気温の上昇により融解し、洪水のリスクが高まっている。
気象台は20日、この事態を受け、カイバル・パクトゥンクワ州の広い範囲に洪水警報を発令。多くの人命が失われる恐れがあると警告した。
国家防災管理局(NDMA)によると、過去1週間の大雨による洪水の死者は100人近くに達したという。
気象台はアフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州で雨だけでなく氷河の融解による洪水も発生する恐れがあるとして、川から離れるよう呼びかけている。
NDMAの担当者は地元テレビ局の取材に対し、「雨が止んだ後も安心できないことを理解し、命を守る行動をとってほしい」と語った。
カイバル・パクトゥンクワ州政府の統計によると、過去5日間の大雨による死者は確認できているだけで46人に達し、うち25人が子供だったという。
少なくとも2875棟の家屋と26校の学校が全壊または損壊したと報告されている。
南西部バルチスタン州でも大雨が降っている。同州政府は状況が悪化すれば中央政府に支援を求めると表明した。
パキスタンの雨季は6月から本格化する。2022年夏の豪雨では国土の3分の1が水没し、1700人以上が死亡した。