◎パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
パキスタン東部ラホールが1日未明、記録的な豪雨に見舞われ、少なくとも3人が死亡した。
国家防災管理局(NDMA)によると、ラホールの豪雨は未明から始まり、6時間雨量が353ミリに達した地域もあったという。
パキスタンの雨季は9月末頃まで続く。
NDMAの統計によると、大雨による先月の死者は99人。そのほとんどが東部パンジャブ州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で報告された。
首都イスラマバードでも雨が続き、複数カ所で道路が冠水した。
ラホールの最近の雨は特に激しく、1日の大雨の前からすでに多くの道路が冠水していた。地元メディアによると、市中心部の病院も浸水し、一部の患者が避難を余儀なくされたという。
市内では1日、1人が感電死、14歳の少年が道路で溺死、5歳の少女が家の屋根から落ちて死亡した。
気象台によると、一部地域の6時間雨量は353ミリに達し、44年前の記録を更新したという。
ラホールの水道局は声明で、「市内の主要幹線道路などで排水作業を進めている」と述べた。
被害の全容は明らかになっておらず、自治体・警察・消防が調査している。
パキスタンは気候変動の影響を受けやすい国のひとつである。北部の広大な氷河が溶けることで川の水位が上昇。雨季は温暖化の影響でより長く、より強力になった。
国土の3分の1が水没した2022年の大水害では1739人が死亡、200万戸以上の家屋が損壊。被害総額は300億ドル(約4兆5000億円)と推定されている。