◎イタリアの気象台はこの熱波を「ケルベロス(ギリシア神話に登場する冥界の番犬)」と名付け、今後数日間は極端な高温が続くと警告している。
2023年7月13日/イタリア、首都ローマ(Getty Images/AFP通信)

南ヨーロッパで熱波が猛威を振るい、ギリシャの最高気温は40度を超えた。地元メディアが14日に報じた。

ギリシャの観光名所アクロポリスは観光客を保護するため、日中の営業を中止した。

イタリアの気象台はこの熱波を「ケルベロス(ギリシア神話に登場する冥界の番犬)」と名付け、今後数日間は極端な高温が続くと警告している。

欧州宇宙機関(ESA)によると、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、ポーランドが今後数日、異常な高温に見舞われる可能性が高いという。

欧州の歴代最高気温はイタリアのシチリア島で2021年8月に記録した48.8度。各国の気象台はこれに迫る高温を記録する可能性があるとみている。

ギリシャでは特に強風が吹く地域で山火事のリスクが高まっている。同国では2年前にも強烈な熱波による高温と乾燥で大規模な山火事が発生した。

クロアチアでは13日に火災が発生し、山間部の集落が被害を受けた。地元メディアによると、この山火事は14日までにおおむね鎮火したという。

チェコの気象台は週末の最高気温が広い範囲で35度を超え、一部地域で40度に迫る可能性があると警告した。

イングランドの一部では熱波が前線を刺激し、豪雨になると予想されている。

ギリシャ文化省は14日、12~17時までアクロポリスを閉鎖すると発表。15日にも同様の措置を取るとしている。

首都アテネの14日の最高気温は41度と予想されている。地元メディアによると、アクロポリスに日陰はほとんどなく、体感温度は市内より数度高いという。

アテネでは14日に観光客少なくとも1人が熱中症とみられる症状で病院に緊急搬送された。アクロポリス以外の観光地は営業を続けているようだ。

ギリシャ政府と気象台は市民に対し、▽外出を控え▽クーラーを適切に使用し▽水分補給をこまめに行い▽利尿作用のあるコーヒーやアルコールの摂取を控えるよう呼びかけている。

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