◎大気質悪化の原因は車やバイクの排気ガス、焼き畑、野焼き、石炭式暖房など。大気汚染は冬に深刻化することが多く、気象条件などの影響により大気がよどみやすい。
インド・ニューデリー当局は18日、市内の大気質が急速に悪化しているとして、複数の対策を導入した。
当局は市内の学校にオンライン授業への移行を指示。市内の建設工事現場に作業中止を命じ、市民に不要不急の外出を控え、石炭を燃やして暖を取らないよう呼びかけた。
また同市内へのトラックの乗り入れも禁じ、排出ガスの量を減らすとしている。
デリー首都圏の大気質は数週間前から急速に悪化。スイスに拠点を置く企業「IQAir」のデータによると、ニューデリーの大気質指数はこの1週間、300~500で推移し、危険とされる300を上回っている。
市内の視界は極めて悪く、場合によっては10メートル先が見えなくなるほどだ。航空各社は利用者に対し、スモッグの影響で遅延が発生する可能性があると警告している。
市内のいくつかの地域の大気質は世界保健機関(WHO)が推奨する安全基準の50倍以上に達した。
気象台によると、大気質の悪さは週明けまで続く見通し。
当局はこの事態を受け、段階的対応行動計画(GRAP4)の第4段階に移行。より厳しい規制を開始した。
受験を控える中学生3年生以下の生徒は原則オンライン授業に移行。必要不可欠な物品以外を運ぶトラックの市内への乗り入れは禁じられた。
また一部の古いディーゼル車は市内を走行できなくなり、すべての建設活動が停止された。
当局は子供や高齢者、慢性疾患や呼吸器系の問題を抱える人々に対し、不要不急の外出を控え、屋外に出る際はマスクを着用するよう呼びかけている。
大気質悪化の原因は車やバイクの排気ガス、焼き畑、野焼き、石炭式暖房など。大気汚染は冬に深刻化することが多く、気象条件などの影響により大気がよどみやすい。
国連環境計画(UNEP)は大気汚染により、毎年800万人が呼吸器系の疾患で亡くなっていると推定。PM2.5を世界の公衆衛生を脅かす最大級の脅威のひとつと評している。
冬の間、冷たい空気はPM2.5を閉じ込め、スモッグをより濃く、長持ちさせる。