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ネパール全土で大雨、少なくとも44人死亡、5人行方不明

ネパールの雨季は主に6月から9月まで続き、インド洋からの南西モンスーンの影響を受けて大量の降雨がもたらされる。
2025年10月5日/ネパール東部、大雨により冠水した地区(AP通信)

ネパールの広い範囲で大雨による洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも44人が死亡、5人が行方不明になっている。国家防災管理庁(NDRRMA)が5日、明らかにした。

それによると、東部コシ州イラムでは少なくとも37人が土砂崩れにより死亡、5人が行方不明となっているという。

イラムはインドと国境を接し、3日から豪雨が報告されていた。

地元テレビ局は当局者の話しとして、「イラム郊外の集落に土砂が押し寄せ、すべてを押し流した」と伝えている。

被害の全容は明らかになっておらず、暫定政府と自治体が調査している。

報道によると、コシ州以外の地域でも土砂崩れが確認され、多くの道路が流されたり、通行できなくなっているという。

政府は現地に軍を派遣し、医療措置が必要な人々をヘリコプターで搬送中。地上部隊は市民を安全な地域へ移動させる支援をしている。

別の地区では落雷により3人が死亡。南部の洪水では少なくとも3人が死亡したと伝えられている。

ネパール東部と国境を接するインドの西ベンガル州でも大雨による土砂崩れが発生。地元メディアは少なくとも17人が死亡したと報じている。

ネパールの雨季は主に6月から9月まで続き、インド洋からの南西モンスーンの影響を受けて大量の降雨がもたらされる。この時期、国全体が湿潤な気候となり、特に中部や東部の丘陵地帯では激しい雨が頻繁に降る。カトマンズ盆地でも連日のように雨が降り、時には道路が冠水することもある。

農業にとっては重要な時期であり、水田への灌漑が自然に行われるため、主食である米の栽培が盛んになる。一方で、洪水や地滑りといった自然災害のリスクも高まるため、生活や交通に影響を及ぼすことがある。特に山岳地帯では土砂崩れにより道路が寸断されることが多く、地域によっては孤立する村も出てくる。雨季が終わると、空気が清まり、ヒマラヤの山々がはっきりと見えるようになる。

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