◎アフリカ大陸から流れ込む熱波は地中海諸国の気温を押し上げ、山火事を後押ししている。
ギリシャの消防当局は19日、首都アテネ郊外で延焼中の山火事について、これまでに数百人が避難を余儀なくされたと発表した。
当局によると、アテネ郊外のベンテリ山で発生した山火事が住宅街に接近しつつあるという。消防は消防ヘリ9機と消防飛行機15機で消火活動に当たった。
アテネ警察は避難指示が出た住宅地で高齢者の避難を支援した。
アフリカ大陸から流れ込む熱波は地中海諸国の気温を押し上げ、山火事を後押ししている。スペインとポルトガルでは数百㎢が焼失し、フランスでは数万人が避難を余儀なくされた。
アテネの地方自治体によると、民家が数戸焼失したものの、今のところ負傷者は報告されていないという。避難指示が発令された地域の小児病院も退避を余儀なくされた。
ギリシャの気温は他の西欧諸国に比べると低いが、乾燥した状態が数週間続き、山火事のリスクが高まっている。政府は国民に花火やバーベキューを控えるよう呼びかけている。
ギリシャは昨年、大規模な山火事に見舞われ、1300㎢(東京23区の倍)以上が焼失した。
消防庁の報道官は19日、「4つの地域に避難指示を出し、住民の携帯電話に警報を送った」と記者団に語った。
報道官によると、400人以上の消防士がベンテリ山近郊に派遣され、警察官約300人が住民の避難、交通規制、略奪防止のパトロールなどを行ったという。
火元に近いラフィーナの市長は国営ラジオ・テレビ局ERTのインタビューの中で、「消防ヘリと飛行機は夜明け前から消火活動を再開する」と語った。