◎猛烈な熱波に見舞われているスペインとポルトガルの熱中症による死者は、この数日で1000人を超えた。
2022年7月18日/フランス、南西部ジロンド県郊外、頭を抱える消防士(SDIS 33/AP通信)

西欧の地中海に面する国々が猛烈な熱波と山火事に直面している。

フランスとイギリスでは気象警報が発令され、スペイン北部の18日の最高気温は43度に達した。

スペイン、ポルトガル、フランス、ギリシャでは山火事が相次ぎ、数万人が避難を余儀なくされている。

イギリスの気象当局は最高気温の記録を更新すると予想し、フランスの専門家は猛烈な熱波とそれがもたらす山火事を「アポカリプス(世界の終末)」と呼んだ。

仏気象局によると、西部ナントの18日の最高気温は過去最高の42度に達し、数十人が熱中症で医療機関に搬送された。

猛烈な熱波に見舞われているスペインとポルトガルの熱中症による死者は、この数日で1000人を超えた。

これらの国々では複数の地域で山火事が発生し、3万人以上が避難を余儀なくされている。

フランス南西部ジロンド県の山火事は特に深刻で、消防士は12日から各地で消火活動に当たっている。当局によると、同県の焼失面積は170㎢を超えたという。

ジロンド県は炎が接近している地域の住民に避難を命じ、山火事を「怪物」と呼んだ。「炎の怪物はどんどん大きくなっています。数千人の消防士が奮闘していますが、乾燥、熱波、強風の影響で怪物はさらに大きくなり、手に負えなくなっています...」

仏気象局によると、ジロンド県の18日の最高気温は40度に達したが、19日以降は35度を下回る見込みだという。ただし、乾燥状態はしばらく続くと予想されており、炎が収まるかどうかは分からない。

イングランド東部サフォーク州の18日の最高気温は38度を超えた。当局によると、19日の最高気温は過去最高を更新する40度に達する可能性があるという。イギリスの歴代最高気温は2019年に記録した38.7度。

ロンドンのルートン空港では高温の影響で滑走路の一部が陥没し、列車も一部運休を余儀なくされた。

オランダ南西部の18日の最高気温は歴代記録を更新する33.6度に達した。予報官によると、19日の気温は39度に達する可能性があるという。

アフリカ北部から流れ込む熱波はゆっくり北上しており、ドイツとベルギーでも今後数日、気温が40度まで上昇すると予想されている。

熱中症とみられる症状で1000人以上が死亡したスペインとポルトガルの暑さも、数日続く見込み。

ポルトガルの最高気温は先週14日に47度まで上昇した。政府によると、スペイン国境付近の乾燥状態が特に深刻で、いつどこで山火事が起きてもおかしくないという。

ポルトガル北部ムルサでは住民300人が避難を命じられた。ムルサの自治体は66人が死亡した2017年の山火事の教訓を活かし、早めの避難を呼び掛けている。

スペインでは少なくとも20の山火事が制御不能状態となり、延焼し続けている。北西部カスティーリャ・イ・レオン州サモラ県郊外では山火事の影響で旅客列車が一時停止した。

2022年7月18日/フランス、南西部ジロンド県郊外(Phillippe Lopez)
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