◎被害の全容は明らかになっておらず、中央政府と自治政府が調査している。
スぺイン東部バレンシア自治州とその周辺地域で発生した大洪水について、地元当局は1日、これまでに205人の死亡を確認し、行方不明者の捜索を続けていると明らかにした。
同国の南部と東部は今週、記録的な大雨に見舞われ、バレンシアや南部アンダルシア自治州で10月29日に雨量が急増。広い範囲で道路が冠水し、建物の浸水被害も相次いだ。
被害の全容は明らかになっておらず、中央政府と自治政府が調査している。行方不明者の数も不明である。
バレンシアのチバやピクアナなど、複数の地域で救助活動が進行中だ。数百人が住宅などに取り残されたり、道路が寸断されたことで孤立しているとみられる。
気象台によると、バレンシア州チバでは8時間の雨量が過去20カ月の総量を上回ったという。
チバ市内では30日から復旧作業が進められている。住民と周辺地区のボランティアたちはスコップで泥をかき出し、瓦礫を片付け、陸軍の到着を待った。
警察や消防が行方不明者の捜索を続ける中、地元当局は災害の規模に圧倒されているように見える。地元メディアによると、バレンシアで水害が発生したのは40年以上ぶり。その時の犠牲者は数十人で、浸水したエリアも今回ほど広くなかったという。
チバ市内の電力は10月31日夜にようやく復旧したものの、水道はまだ通っていない。
自治政府は冠水被害が確認されたすべての地区に給水車を送り、食料や生活必需品を届けようとしている。赤十字も要員を派遣し、被災者を支援している。
チバの警察当局は倒壊家屋や峡谷の遺体捜索、交通整理を行っている。消防士は建物の安全確保を支援。さらに500人ほどの兵士がバレンシアに投入され、郊外の被災地などにヘリなどで物資を届けている。
政府は陸海空から被災地に支援を送るとしているが、地元メディアによると、少なくとも100カ所以上で道路が寸断され、車両による物資搬入が難しくなっているという。
多くのボランティアが活動するチバには1日午後の時点で軍の部隊は到着できていない。