◎同国の南部と東部は今週初めから記録的な大雨に見舞われ、バレンシアや南部アンダルシア自治州で29日に雨量が急増。広い範囲で道路が冠水し、建物の浸水被害も相次いだ。
スぺイン東部バレンシア自治州とその周辺地域で発生した大洪水について、地元当局は10月31日、これまでに158人の死亡を確認し、行方不明者の捜索を続けていると発表した。
同国の南部と東部は今週初めから記録的な大雨に見舞われ、バレンシアや南部アンダルシア自治州で29日に雨量が急増。広い範囲で道路が冠水し、建物の浸水被害も相次いだ。
バレンシアのチバやピクアナなどで救助活動が進行中。1000~2000人が住宅などに取り残され、身動きが取れなくなっているとみられる。
中央政府は軍に出動を命じ、1000人以上の兵士が同州に配備された。
気象台によると、一部地域ではわずか半日ほどで平年1年分の雨量を超える雨が降ったという。車に乗っていた多くの人々が冠水した道路で身動きが取れなくなり、車ごと流された。
被害の全容は明らかになっていない。国営RTVEテレビは自治政府関係者の話しとして、「数千の住宅が被害を受けたとみられる」と伝えている。
当局によると、バレンシアで155人、カスティーリャ・ラ・マンチャ州で2人、アンダルシアで1人の死亡が確認されたという。行方不明者の数は不明。軍・消防・警察が捜索している。
30日になると多くの地域で水が引き、洪水に巻き込まれた多くの車や瓦礫が道路に残された。
政府と気象台は警告を出すのが遅すぎたと批判を浴びている。首相府の報道官は31日の声明で、「自治政府がその責任を負っている」と強調した。
気象台は28日時点で広い範囲に大雨や洪水警報などを出していたが、この規模の洪水が発生すると予見できた人はいなかった。バレンシア州チバでは8時間の雨量が過去20カ月の総量を上回った。
自治政府は市民の携帯電話にアラートを送り、不要不急の外出を控えるよう呼びかけていた。