◎北部の広い範囲では数週間前から大雨が続いている。
アフリカ西部・カメルーンの北部で大雨が続き、少なくとも10人が死亡、20万人以上が被災し、約8000戸の家屋が全壊した。現地メディアが14日に報じた。
それによると、北部の広い範囲では数週間前から大雨が続いているという。
国営ラジオは政府関係者の話しとして、「これまでに10人の死亡が確認され、北部の多くの地域が冠水し、185の小学校と13の高校が浸水、1100頭以上の家畜が死んだという報告が入っている」と報じた。
被害の全容は明らかになっておらず、特に分離主義勢力が活動する北西部の状況はほとんど分かっていないようだ。
北西部の英語圏に拠点を置く分離主義勢力はその他のフランス語圏地域から疎外されていると主張し、英語圏の独立国家を樹立するために2016年頃から国軍と戦っている。
国連によると、この分離独立紛争の死者数は推定6000~7000人。100万人近くが避難生活を余儀なくされている。
国営ラジオの取材に応じた被災者の男性は、「食料や水といった基本的な支援すら届いておらず、泥水を飲んで生き延びている」と語った。
別の男性は「台所用品は流され、鍋もなくなり、飼育していた羊、鶏、ヤギは一匹残らず死んだ」と述べた。
中央政府は20万人以上が被災し、8000戸もの家屋が全壊したと報告している。被災者の多くがNGOの難民キャンプなどに身を寄せ、政府の支援を待っている。
政府は被災者への支援として3億5000万CFAフラン(約8300万円)を拠出すると発表したが、災害の規模を考えると、この金額で不十分と考える地元住民はほとんどいない。
現地メディアによると、被災地に入る場合はカヌーが欠かせないという。道路が整備されている地域の多くが冠水しているようだ。