◎政府は22日午後、ビニャデルマルとその周辺を対象とする非常事態宣言を発令した。
チリ当局は23日、中部パルパライソ州のリゾート地ビニャデルマルで山火事が発生し、少なくとも1人が死亡、民家100戸以上が被害を受けたと発表した。
火災はビニャデルマルの山間部で22日に発生し、住宅地に接近した。消防によると、この24時間で125ヘクタールが焼失したという。
政府は22日午後、ビニャデルマルとその周辺を対象とする非常事態宣言を発令した。
地元メディアによると、いくつかの地区の住民が避難を命じられたという。
大統領府の報道官は23日の記者会見で、「本日中には火災を制御できる見通し」と説明した。
消防当局は当初、この火災で2人が死亡し、400戸以上が被害を受けたと報告していたが、23日に数字を下方修正した。
当局によると、23日未明の時点で死者1人、軽傷者30人、全焼家屋130戸。ロイター通信は関係者の話を引用し、「焼失家屋は200戸を超えた」と報じている。
ビニャデルマルの近くにある石炭火力発電所も火災の影響を受けたと伝えられている。
地元メディアはパルパライソ州の港から撮影した写真を公開している。ビニャデルマルの広い範囲から黒煙が立ち上っていた。
世界は今年、地球温暖化による異常な乾燥と山火事に見舞われた。
米国西部では山火事が常態化し、多くの市民が日常的に避難を余儀なくされている。
ヨーロッパ大陸では7月、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、フランスなどで山火事が発生した。
チリの隣国アルゼンチンでは昨年2月に山火事が発生。国立公園が被害を受けた。
チリのイースター島ラノララク山周辺で10月初めに発生した火災では、多くのモアイ像が修復不可能な損傷を受けた。