◎焼失面積は3600㎢(奈良県とほぼ同じ)に達し、民家1500戸以上が焼失した。
チリ政府は11日、中南部の広い範囲で延焼を続ける山火事について、これまでに26人の死亡を確認し、2000人以上が負傷したと報告した。
当局によると、焼失面積は3600㎢(奈良県とほぼ同じ)に達し、民家1500戸以上が焼失したという。
内務省の報道官は米ABCニュースの取材に対し、「アンデス地方の森林3600㎢が焼失し、数千人が避難を余儀なくされている」と語った。
報道官によると、ボランティアを含む6000人以上が消火活動にあたり、延焼を続ける山火事は320を超え、そのうち90は制御不能状態だという。
チリは先月初め頃から熱波に見舞われ、中南部以外の地域でも高温・乾燥・強風が続いている。
予報官は「ラニーニャ現象」が高温と乾燥を引き起こし、太平洋から流れ込む乾いた風が山火事を拡大させていると指摘している。
チリ政府は中南部のビオビオ州、アラウカニア州、ニュブレ州に非常事態を宣言。内務省はこの3州に夜間外出禁止令も合わせて課すとしている。
米政府は3万6000リットルの水を散布できる消防飛行機を派遣。ブラジル、アルゼンチン、エクアドル、メキシコ、スペインも資材や物資などを送った。
チリ政府は消防ヘリや消防車などの追加支援を要請している。
気象当局によると、高温と乾燥は少なくとも数日続く見通し。