◎気象当局によると、中南部の記録的な高温と乾燥はしばらく続くとみられる。
チリ政府は4日、中南部の広い範囲で山火事が多発していることを受け、非常事態宣言の対象エリアを拡大した。
当局によると、火災による死者は確認できているだけで22人に達し、550人以上が負傷したという。
トハ(Carolina Tohá)内相は4日、南部アラウカニア州を非常事態宣言の対象に追加した。これで宣言の対象州は中部ビオビオ州・ニュブレ州と合わせて3州となった。
政府は対象地域に軍を派遣し、自治体の消火活動を支援している。
トハ氏は会見の中で、「負傷者554人のうち16人は重傷で、さらに少なくとも10人が行方不明という報告を受けており、犠牲者は増える可能性がある」と説明した。
死亡が確認された22人の内訳はビオビオ州16人、アラウカニア州5人、ニュブレ州1人。
アラウカニア州では消火活動に当たっていた消防ヘリが墜落し、操縦士と整備士が死亡した。
気象当局によると、中南部の記録的な高温と乾燥はしばらく続くとみられる。
チリは先月から熱波に見舞われ、中南部以外の地域でも高温・乾燥・強風が続いている。
政府の緊急事態庁によると、4日午前の時点で251の山火事が発生し、そのうち151カ所は鎮火。焼失面積は2万ヘクタール近くに達したと推定されている。
トハ氏は「この24時間で新たに76件火災が発生した」と語った。
またトハ氏は、「この山火事は地球温暖化が進んでいることを示すものである」と警告した。
ボリッチ(Gabriel Boric)大統領は4日、ツイッターに声明を投稿し、「複数の国に支援を要請している」と明らかにした。