◎首都ンジャメナの南方400kmに位置する自然保護区外で先週、アフリカゾウ少なくとも5頭が密猟者に撃ち殺された。
アフリカゾウ(Getty Images)

中央アフリカ・チャドで活動するNGOは11日、南部の自然保護区外でアフリカゾウ少なくとも5頭が密猟者に殺されたと報告した。

NGO「SOSエレファント(SOS Elephants)」によると、チャドのアフリカゾウ個体数は密猟の影響で1500頭以下にまで減少したという。

SOSエレファントの事務局長はAFP通信の取材に対し、「首都ンジャメナの南方400kmに位置する自然保護区外で先週、アフリカゾウ少なくとも5頭が密猟者に撃ち殺された」と語った。

それによると、密猟者は象牙を切り取り、車で逃亡したという。

事務局長は「警察と軍が密猟者を追っている」と述べ、職員を現地に派遣し、殺されたゾウの数を調査していると説明した。

また事務局長は「保護区外で密猟が活発化している可能性がある」と懸念を表明した。

2021年4月に戦死したイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2008年にアフリカゾウを保護する法律を施行した。しかし、SOSエレファントによると、その効果は徐々に薄れつつあるようだ。

事務局長はAFPに「野生のアフリカゾウ約1500頭の大半が保護区内に生息しているが、そこを離れてしまうとすぐに殺されてしまう」と語った。

また事務局長は軍政を率いるデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領に対し、絶滅の危機に瀕している全ての野生動物を保護する断固とした措置を取るよう要請した。

SOSエレファントの調査によると、2009~11年の間にカメルーンと国境を接する地域で密猟されたアフリカゾウは200頭以上。その後、密猟は減少したが、2016~17年頃から増加に転じ、確認できているだけで毎年数十頭が密猟されているという。

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