◎シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
ボツワナの国立公園、クロサイ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ南部の内陸国ボツワナの観光省は20日、国内におけるサイの密猟数が急増していると明らかにした。

政府報道官によると、密猟が急増している背景にはアジアを中心とする犀角(さいかく)需要の増加があるという。

犀角はアジアの一部地域で漢方薬として利用され、取引価格は金やコカインに匹敵する。

シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。

ボツワナと国境を接する南アフリカは密猟者を厳しく取り締まる法律を導入し、サイやアフリカゾウの密猟を阻止している。

南ア当局は国立公園のパトロールを強化し、成果を上げた。狩場を失った密猟者は角を求めて近隣諸国に移動したとみられる。

政府報道官は「犀角需要の増加と南アの密猟対策強化により、多くの密猟者がボツワナに流れたようだ」と述べた。

IUCNによると、ボツワナに生息する野生のシロサイは昨年末時点で285頭、クロサイは23頭。報道官は密猟被害数を明らかにしなかったが、「多くの個体が角を切り取られた影響で失血死したり、撃たれて死んだ」と述べた。

アフリカの野生動物保護団体は犀角を人間の爪のように切って密猟を防止している。

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