10月18日
イタリア/症例の急増に伴い、コンテ首相が制限強化を発表
18日、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は、症例急増に対処するための新しい制限を発表した。
マスクを着用し記者会見を行ったコンテ首相は、「新たな封鎖を回避するために、対策が必要」と強調した。
イタリアの24時間あたりの新規感染数は、連日過去最高を更新している。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、イタリアの累計感染数は約41.4万件、死者数は36,500人以上、18日の新規陽性数は11,705件だった。
【新たな制限】
・高校の授業開始時間を遅らせ、オンライン授業を推奨。開始時間は地方当局と各高校に委ねる。
・バーやレストランの営業時間変更。深夜0時までに閉店し、18:00以降はテーブルサービスのみ許可される。なお、グループの最大人数は6人。
・会議や祭りなどのイベントは中断。
・アマチュアコンタクトスポーツは練習も含め、中断。
・ジムとスイミングプールは営業可能。ただし、当局の発表するルールを遵守。
欧州各国の制限
欧州の第二波は勢いを増している。
【フランス】
17日の新規陽性数は過去最高を更新する32,427件、予定通り夜間外出禁止令が施行された。
・非常事態を宣言したフランスの一部地域で夜間外出禁止令が施行
【ベルギー】
19日から国内全てのバー、レストランは4週間休業し、夜間外出禁止令(00:00~05:00)も施行される。なお、20:00以降、アルコールの販売は禁止。
【スイス】
19日から公共スペース(屋内)でのマスク着用が義務化される。また、集会人数を15人以下に制限。
【チェコ】
国内の学校および全ホスピタリティセンターを閉鎖。学校はオンライン授業に変更。同国の感染率は欧州で最も高い。
・チェコ共和国で”グッバイコロナウイルスパーティ”が盛大に催される
【アイルランド】
19日に新しい制限を発表する予定。政府は「重要でない全ての事業を閉鎖する」と示唆している。
【ドイツ】
17日の新規陽性数が過去最高を更新。メルケル首相は国民に対し、可能な限り自宅にとどまるよう要請した。
【オランダ】
国王のコロナ封鎖旅行に対しマルク・ルッテ首相は、「よいアドバイスを与えるべきだった」と非を認めた。
・閉鎖命令中にギリシャ旅行を決行したオランダ王室に非難が集まる
【欧州の感染状況/10月19日時点】
累計感染者 | 累計死者 | 新規感染者 (直近) | |
フランス | 89.7万人 | 33,477人 | 29,837人 |
イギリス | 72.2万人 | 43646人 | 16,981人 |
スペイン | 93.7万人 | 33,775人 | 15,186人 |
チェコ | 17.4万人 | 1,422人 | 5,059人 |
ロシア | 142万人 | 24,366人 | 15,099人 |
オランダ | 22.8万人 | 6,751人 | 7,779人 |
ドイツ | 36.9万人 | 9,798人 | 7,830人 |
イタリア | 41.4万人 | 36,543人 | 11,705人 |
ベルギー | 21.3万人 | 10,392人 | 10,964人 |
スロバキア | 29,835人 | 88人 | 1,567人 |
ポルトガル | 99,911人 | 2,181人 | 1,856人 |
アイルランド | 49,962人 | 1,852人 | 1,284人 |
デンマーク | 35,436人 | 679人 | 501人 |
スウェーデン | 10.3万人 | 5,918人 | 596人 |
スイス | 74,422人 | 1,823人 | 2,606人 |
アメリカの感染状況
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染数は約819万件、死者数は22万人を超えた。
17日の24時間あたりの新規感染数は52,774件、前日から18,000件ほど減少した。
なお、全世界の累計感染者数は間もなく4,000万人を突破する。
【世界の感染状況/10月19日時点】
累計感染者 | 累計死者 | 新規感染者 (直近) | |
世界 | 3,990万人 | 111万人 | 383,618人 |
アメリカ | 819万人 | 22万人 | 52,774人 |
インド | 755万人 | 11.5万人 | 61,871人 |
ブラジル | 524万人 | 15.4万人 | 10,982人 |
ロシア | 140万人 | 24,187人 | 15,099人 |
アルゼンチン | 99万人 | 26,267人 | 10,561人 |
トランプ大統領を擁護したRNC議長が、ミシガン州知事のパンデミック対応を非難
18日、共和党全国委員会(RNC)のロナ・マクダニエル議長は、トランプ大統領に「刑務所に入れろ」と脅迫されたミシガン州知事のグレッチェン・ホイットマー氏のパンデミック対応に異議を唱え、社長の収監宣言を擁護した。
17日にミシガン州で開催されたキャンペーン集会中、トランプ大統領はホイットマー州知事について、「彼女は脅迫され、私を非難したと記憶している。今すぐ彼女に州を開放させなければならない。そして学校を開放しなければならない。学校は開いていますか?子供たちは?」と語った。
その直後、共和党有権者たちは「彼女を閉じ込めろ」と詠唱を始め、トランプ大統領はそれに応えた。
これに対しホイットマー州知事は声明を発表した。
グレッチェン・ホイットマー州知事:
「私、私の家族、そして他の政府高官の命を危険にさらす行為だ」
「一国の大統領が集会でこのような発言をするたびに、それに応える暴力的な発言がSNSでエスカレートする。そして実行に移す者が現れる。今すぐ正さなければならない」
一方、RNCのマクダニエル議長はABCニュースのテレビインタビューの中で、ホイットマー州知事の発言を不適切だと糾弾した。
ロナ・マクダニエル議長:
「まず、大統領とFBIは州知事誘拐計画を阻止した」
「ホイットマー州知事がトランプ大統領を非難するのは本当に不適切だと思う。容疑者は病気を患う異常者であり、支持政党もない。彼らはワシントンD.C.を攻撃しただろう」
マクダニエル議長は、ミシガン州のコロナウイルス制限が何カ月も続き、住民の怒りを増長させたと主張した。
「州知事は私たちを閉じ込めた。今すぐ制限を解除しなさい。子供たちを学校に戻しなさい。住民の声に耳を傾けなさい。住民たちはあなたに不満を持っている。制限は失敗だった」
10月17日
トランプ大統領が共和党上院議員に噛みつく
17日、トランプ大統領がネブラスカ州のベン・サス共和党上院議員に噛みついた。
この日、保守的なウェブサイト、ワシントン・エグザミナーにサス上院議員の「トランプ大統領批判メッセージ」が投稿された。
これを聞いた共和党社長のトランプ大統領はツイッターを更新、次のようにツイートした
ドナルド・トランプ大統領:
「ネブラスカ州の有権者の顔に泥を塗った。サスは偉大になるために必要なものを何一つ持っていない」
「共和党は新しく、より実行可能な候補者を見つけるべきだろう」
サス上院議員は批判メッセージの中で、「トランプ大統領は白人至上主義者といちゃつく」「独裁者の尻にキスをする」などと発言。また、トランプ大統領は共和党に損害を与えていると警告し、大統領選挙に敗れれば、民主党に上院を奪われるだろうと懸念を表明した。
サス上院議員は再選を目指しており、2020年11月3日のネブラスカ上院選挙に出馬する予定である。
なお、選挙スタッフにお下劣なテキストを送付したことで批判に直面し、立候補辞退を求められた民主党のライバル、クリス・ヤニセック氏も予定通り出馬する。
モノクローナル抗体はコロナワクチンへの架け橋になるかもしれない
今月初めにトランプ大統領に投与された「モノクローナル抗体」は、コロナウイルスだけのものではない。
過去30年に渡り、このタイプの薬は癌、炎症性疾患、感染症の治療に使用されてきた。
専門家はこのタイプの薬がコロナウイルスのゲームチェンジャーになる可能性があると予測している。ただし、トランプ大統領はモノクローナル抗体を「治療法」と宣伝したが、それは間違いである。
最初のモノクローナル抗体は1980年代に腎移植拒否反応対応として承認され、以来、2019年までに、食品医薬品局(FDA)は79のモノクローナル抗体を承認した。
ペンシルベニア大学の疫理学教授、エリン・ラニング・プラック博士は次のように述べている
エリン・ラニング・プラック博士
「モノクローナル抗体は、癌から自己免疫疾患まで、あらゆる病を治療するための世界で最も重要な薬のひとつである」
先週、トランプ大統領に投与されたモノクローナル抗体の開発企業、リジェネロン社は、3つのモノクローナル抗体を組み合わせたエボラ出血熱治療抗体、インマゼブのFDA承認を得た。
コロラド大学医学部のトーマス・キャンベル博士はコロナウイルス用のモノクローナル抗体について、「スパイクタンパク質の非常に特異な部位に結合するよう設計されている」とABCニュースに説明した。
トーマス・キャンベル博士:
「これは体調を崩した患者に投与するものである」
様々な病気に使用されるモノクローナル抗体にも、リスクは存在する。体内の結合場所が悪ければ、負の効果を生み出すという。
製薬会社ジェネンテックが開発したエファリズマブは、2009年に致命的な脳感染のリスクに関連していることが判明し、市場から排除された。
ヤンセン社の抗体も深刻な副作用をもたらすことが判明し、2010年に製造を中止している。
トランプ大統領に投与されたリジェネロン社のモノクローナル抗体は食品医薬品局(FDA)の承認を得ておらず、臨床試験以外の患者に投与された実績は10件未満である。
なお、トランプ大統領は「未承認の抗体を全アメリカ国民に無料で提供する」と発表したが、どのように実行するかは不明。また、製薬会社に緊急使用許可を与えると述べたが、その許可にはFDAの科学的承認を得る必要がある。
ニューヨークのクオモ州知事がコロナ撃退プランを発表
17日、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は、マイクロ飛沫(エアロゾル)感染を防ぐ新しいコロナ撃退戦略プランを発表した。
クオモ州知事は記者団に対し、「対象エリアは地域レベルではなく、ブロック単位になる」と述べた。
アンドリュー・クオモ州知事:
「エアロゾルによるクラスターを防止する戦略を秋までに展開する予定である」
「私たちはブロックごとに感染状況を分析している。ただし、個人情報保護に違反する可能性があるため、開示はできない。新規陽性がどのブロックから来ているのかを正確に把握している」
クオモ州知事によると、オレンジ郡、ロックランド郡、クイーンズ郡、ブルックリン区でエアロゾルによるクラスターが発生しているという。
また、ニューヨーク州当局がウィリアムズバーグで予定されている結婚式に延期命令を出し、1万人以上がその対象になったと述べた。
今回のプラン適用以降、エアロゾルによるクラスターが発生地域したエリアは「レッドゾーン」に指定される。なお、感染者数などの条件に応じ、「オレンジ」「イエロー」にランク分けするという。
さらに、10月23日から「ニューヨーク市外」の映画館については、収容率25%以下で再開を許可し、1スクリーンあたり最大50人まで入場できると発表した。ただし、社会的距離やマスク着用ルールなどの各種条件をクリアする必要がある。
ニューヨーク州の検査陽性率は全国最低レベルを維持しており、過去2週間の平均値は約1.1%に抑えられている。
最後にクオモ州知事は、「ワクチンが冬までに利用可能になることを望む」と語った。
アンドリュー・クオモ州知事:
「ニューヨーカーは感染予防対策にウンザリしているかもしれないが、ウイルス拡散を防ぐための予防策を引き続き徹底してほしい」