◎シリル・ラマポーザ大統領は27日午後に放送されたテレビ演説で、「インドで最初に確認されたデルタ株の亜種が感染拡大を後押ししている」と述べた。
2021年6月23日/南アフリカ、ヨハネスブルグの病院(Getty Images/AFP通信)

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は27日、コロナウイルスの感染再拡大を受け、アルコールの販売禁止や夜間外出禁止令を含む厳しい制限を再導入すると発表した。

ラマポーザ大統領は27日午後に放送されたテレビ演説で、「インドで最初に確認されたデルタ株の亜種が感染拡大を後押ししている」と述べた。

保健当局のまとめによると、27日の新規陽性者数は15,036件、死亡者は122人、直近7日間の平均症例数は15,000件以上で、累計死亡者はまもなく60,000人に達するという。

国内で最も人口の多いハウテン州はイギリスのデルタ株とデルタ亜種の急増に直面しており、新規陽性者の約66%が同州で報告されている。

現地メディアによると、ハウテン州の医療機関の病床はコロナ患者に占領されており、集中治療室(ICU)の占有率は100%に近い状態を維持しているという。政府はハウテン州だけでなく、周辺の8つの州も同じ状況に陥る可能性が高いと警告した。

ラマポーザ大統領は演説の中で、第3波を抑え込むために制限を再導入すると述べ、葬式を除くすべての集会を2週間禁止すると発表した。「...私たちはマスクを着用し続け、社会的距離を保つことで、コロナとの戦いに勝利します。私たちが持っている全ての力、全ての勇気を呼び覚まし、第3波に勝利しましょう」

南アフリカのワクチン接種はゆっくりと進んでおり、少なくとも1回接種した人の割合は人口の約4.5%にとどまっている。ラマポーザ大統領は、国内の医療従事者約125万人のうち、95万人以上がワクチンを接種したと述べた。

人口約6,000万人の南アフリカは、2022年2月までにワクチン接種率67%を目指している。

アフリカ疾病予防管理センターによると、アフリカ大陸の54ヵ国でデルタ株の急増が報告されているという。人口約13億人のアフリカ大陸のワクチン展開は遅く、少なくとも1回接種した人の割合は人口の3%にとどいていない。

<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/6月28日時点
アメリカ:3億2,200万回/53%
イギリス:7,600万回/65%
ドイツ:7,100万回/53%
イタリア:4,900万回/55%
フランス:5,100万回/49%
カナダ:3,500万回/68%
日本:3,700万回/20%
南アフリカ:270万回/4%
中国:11億7,000万回/43~46%(推定)
インド:3億1,500万回/19%
イスラエル:1,100万回/64%

世界:29億2,000万回/23%
アジア:17億8,000万回/23%
北米:4億2,300万回/42%
ヨーロッパ:4億8,500万回/40%
EU:3億4,700万回/49%
南米:1億7,100万回/28%
アフリカ大陸:4,900万回/3%

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