◎主な変更点は屋外でのマスク着用義務と一部の業種に対するコロナワクチン接種義務の廃止。
2021年11月9日/ニュージーランド、首都ウェリントンで開催された反コロナワクチン集会(Praveen-Menon/ロイター通信)

ニュージーランド政府は23日、コロナウイルスの感染が収まりつつあること受け、段階的に規則を緩和すると発表した。

ジャシンダ・アーダーン首相は4月4日から小売店、レストラン、バーなどを利用する際のワクチン接種確認を廃止すると明らかにした。これに伴い、これらの施設を利用する際のQRバーコードスキャンも不要になる予定。

教師、警察官、ウェイター、医療部門と介護施設で働く労働者、国境管理職員のワクチン接種義務は維持されるが、その他の労働者は対象外になる。

また、25日から屋外施設の収容制限が緩和され、コンサート、スポーツイベント、その他の大会が開催可能になる。屋内施設の収容制限も現在の100人から200人に緩和され、その後撤廃される予定。

屋外でのマスク着用義務も廃止。屋内は維持される予定で、小売店、公共交通機関、学校(8歳以上)、その他の施設では着用を求められる。

アーダーン首相は2年間維持した規則が数千人の命と国の経済を救ったと述べる一方、多くの困難があったことも認めた。「多くの人が感染を抑え込むために何かを犠牲にしました。諦めなければならないこともありました...」

NZLの規則は西側諸国の中で最も厳しく、オミクロン株以前の変異株はほぼ抑え込むことに成功した。

政府は今月、4月12日からオーストラリアの観光客や留学生、5月1日からは米国、カナダ、イギリスなどの観光客を受け入れると発表した。

国際観光収入はNZLの海外収入の約20%、GDPの約5%を占めていたため、世界で最も厳しい国境管理は観光業界に大打撃を与えた。

保健当局のまとめによると、直近1週間の平均陽性は約17,000件、死亡者は約10人。病床使用率は減少傾向にあるものの、オミクロン株の流行前に比べると高い。

アーダーン首相は記者団に、「最大都市オークランドの感染状況はピークを過ぎ、他の地域もまもなくそれに続くだろう」と述べ、国民に理解を求めた。

一部の医療専門家は、早い段階で規制緩和を進めた一部の欧州諸国の感染者が増加し始めていることに懸念を表明している。

欧州のオミクロン株はより感染力の強いBA.2に置き換わりつつある。

NZLのコロナワクチン接種率(人口比 3月21日時点)は次の通り。
▽少なくとも1回:86%
▽2回済:81%
▽3回済:52%

2022年2月12日/ニュージーランド、首都ウェリントンの議会議事堂前(George Heard/New Zealand Media and Entertainment)
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