◎接種を拒否した市民に対するペナルティの詳細は明らかにされていない。
2022年1月5日/イタリア、ローマのポポロ広場(Gregorio Borgia/AP通信)

1月5日、イタリア政府は50歳以上の市民にコロナワクチン接種を義務付ける規則を承認した。

現地メディアによると、マリオ・ドラギ首相は5日午後の閣議で「政府はまだワクチンを接種していない市民に行動するよう働きかけなければならない」と述べ、ワクチンの展開を加速するよう関係閣僚に命じた。

ドラギ内閣は50歳以上の市民にワクチン接種を義務付ける規則を全会一致で承認した。ワクチンの展開を取りまとめるレナート・ブルネッタ行政大臣は閉会の辞で、「イタリアは欧州の先駆者として、ICUベッドの大半を”占領”しているワクチン未接種者を取り締まる」と述べた。

保健当局のまとめによると、5日の新規陽性は速報値で約19万件、直近1週間の平均陽性は12万件を超えた。死者もゆっくり増加しているが、新規ほどの勢いはない。

イタリアのワクチン接種率はEU主要国の中で最も高く、5日時点で人口の約78%が2回接種を終え、ブースター接種率は36%を超えた。

ドラギ首相は50歳以上の接種義務化を決断した理由について、「高齢者の入院リスクは高く、医療機関にかかる圧力を軽減するため」と述べた。

接種を拒否した市民に対するペナルティの詳細は明らかにされていない。しかし、ロベルト・スペランツァ保健相は記者団に、「国内の企業は50歳以上の従業員に”スーパーグリーンパスポート”の提示を求めることになるだろう」と述べ、新たなワクチンパスを導入すると示唆した。

AFP通信によると、このパスポートはワクチン接種を終えた人と、コロナに感染し回復したと証明できる人に交付される予定だという。

公的部門と民間部門の50歳以上の労働者に対する規則は2月15日に発効する予定。

また政府は、「大学で働く職員は年齢に関係なくワクチンを接種しなければならない」と布告した。現時点でワクチン接種を義務化されている職種は小中高の教師、医療従事者、軍と警察の職員。

さらに政府は、美容院などのサービス部門で働く市民向けの規則も追加した。特定のサービス部門で働くすべてのワクチン未接種者は、最近コロナに感染し回復したという証明書または、PCR検査で陰性を証明しなければならない。この規則はショッピングモールの店舗、銀行、郵便局などに適用される。

スポンサーリンク