◎ワクチンの評価、「16歳の以上の人々に十分な安全を保証できる」。
◎1回の投与で強力な保護を得られるが、最高の保護を得るためには2回接種すべきとFDAは「推奨」。
◎臨床試験参加者の半数が「倦怠感」や「頭痛」などの副反応を経験。約3分の1が「悪寒」「筋肉痛」を訴えた。
◎男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮した。
2020年12月8日 PAメディア/イギリス、ファイザーワクチン接種の様子

12月8日、米食品医薬品局(FDA)は、ファイザー社のワクチンの新たなデータを公開した。

それによると、同社のワクチンの評価は、「16歳の以上の人々に十分な安全を保証できるもの」だという。

今回のデータは完璧なGOサインではないが、評価結果は緊急使用を許可したFDAの想定の範囲内にワクチンの能力が収まっていることを意味し、科学者や関係者に安心感を与えた。

また、当初から予想されていた通り、「ワクチンの効果が18歳以上の人々に限定されない可能性がある」ことも示唆した。

そしてFDAは、1回の投与で強力な保護を得られると判断したが、最高の保護を得るためには2回接種すべきと「推奨」している。

データによると、最も一般的な接種後の反応は「注射部位の皮膚反応」で、その後に「倦怠感」「頭痛」が続くという。

また、16歳~55歳の臨床試験参加者の約半数が倦怠感や頭痛などの副反応を経験し、約3分の1が「悪寒」「筋肉痛」を訴えた。

2020年10月30日 ロイター通信/ファイザーワクチン

データによると、ファイザー社のワクチンは男女、異なる人種や民族に等しく効果を発揮したという。

FDAはHIV/AIDS患者やコロナウイルスから一度回復した人への効果、ワクチンの保護期間など、まだ分からないことも多いと指摘した。

また、接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」については、十分なデータがまだないと強調している。

つまり、ワクチンの供給開始以降もマスクを着用し、社会的距離を確保し、屋内での集まりを避けることが重要だとFDAは補足した。

データは12月10日に開催されるFDAの諮問委員会に先立って公開された。そこで効果と安全性が認められた場合、FDAは米国内での緊急使用を許可する。

ファイザー社のワクチンについて

・95%の確率で接種者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94%を示した。

・2020年に最大5,000万回分、2021年に最大13億回分の投与を目指している。

・2回接種する必要がある。

・輸送時の温度管理(ー75℃前後)が懸案事項だった。

種類保護率
接種回数
試験数
(公表数)
保存
期間
費用
ファイザー95%
2回
43,538人-75℃
5日
20ドル
モデルナ94.5%
2回
95人-20℃
6カ月
33ドル
オックスフォード62-90%
2回
24,000人冷蔵庫
4ドル
スプトーニクV92%
2回
20,000人冷蔵庫
10ドル

【まだ分かっていないこと】
・ワクチンはウイルスの拡散を防止する?

免疫を保持できる期間は?

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