◎制限は1月26日に緩和され、3月8日まで続く予定。
1月25日、オランダのマルク・ルッテ首相は昨年末に強化したコロナウイルス対策を一部緩和すると発表した。
オランダのバー、レストラン、美術館、その他の娯楽施設はオミクロン株の感染拡大を抑えるために、昨年12月18日に閉鎖された。
しかし、厳しい制限にもかかわらず新規陽性は増え続け、直近1週間の陽性数は1日あたり約50,000件に達した。ただし、病床使用率とICU占有率はゆっくり減少しており、直近1週間の死亡者は10人を下回っている。
ルッテ首相は記者会見の中で、「制限の緩和は感染爆発のリスクを伴う」と述べ、国民に警戒を緩め過ぎないよう警告した。「陽性者が増加している中、オランダは大きな一歩を踏み出そうとしています...」
制限は1月26日に緩和され、3月8日まで続く予定。
<オランダの制限(一部緩和) 12月19日~1月25日3月8日>
・必要不可欠な施設(病院、インフラ関係企業、薬局、ガソリンスタンドなど)は営業を継続。
・スーパーマーケットの営業時間は20時22時まで。
・レストランやカフェなどの飲食店はデリバリーのみ可能。アルコールを提供する店は閉鎖。22時まで営業可能。ただし、利用者はワクチン接種証明またはコロナから回復した証明書の提示を求められる。
・必要不可欠でない施設および店舗(カジノ、サウナ、美容院、ナイトクラブ、サロンなど)は閉鎖。
・プロスポーツ(無観客)以外のイベントは禁止。の収容人数はスタジアムの3分の1以下。イベントの定員は1,250人以下。
・学校(小中高大学)は1月9日まで冬休み。
・自宅に招くことができる客は1家族1日2人まで。12月24日~26日と元旦は4人まで。
ルッテ首相はホスピタリティ産業の怒りを考慮し、制限の緩和に踏み切った。
小売店の店主、美容師、ジムのスタッフ、水商売で生計を立てている女性などは先週、当初予定していた1月15日に制限が解除されなかったことに激怒し、各地で激しい抗議デモを展開し、制限を無視して事業を再開した。
アムステルダムのカフェや数十の美術館も政府の方針に反対する抗議デモを行ったのち、営業を再開した。
厳格な制限に対する国民の支持率は確実に低下しており、アムステルダムでは数千人規模の抗議デモが連日開催され、一部の暴徒と警察が衝突する事態に発展した。
ルッテ首相は記者団に、「政府は最近の緊張とホスピタリティ産業の苦しみを理解している」と述べた。
一方、エルンスト・カイパース保健・福祉・スポーツ相は「コロナウイルスはインフルエンザではない」と警告したうえで、経済を回すことも重要と述べた。「経済活動と感染予防を両立することが重要です...」
オランダのワクチン接種率はEU平均より高く、1月22日時点で人口の約72%が接種を終えている。