ジョージア州ではサロンとスパの営業が再開、ストロングアメリカが帰ってきた!

アメリカ国内の死者数は51,000人を突破。感染者数の増加率は減少傾向にあるものの、ニューヨーク州を筆頭に、感染拡大が深刻な地域では今も医療関係者の奮闘が続く。

そんな中、3つの州がロックダウンの緩和を宣言、いくつかの店舗に営業再開許可が出された。ジョージア州とオクラホマ州はサロンとスパを、そしてアラスカ州ではレストランなどの営業が再開(再開の判断は店舗に委ねられている)された。

今回、3つの州でロックダウンが緩和された背景には、トランプ大統領および政府の発表した経済復活ガイドラインが大きく影響している。24日、経済活動再開を急ぐトランプ大統領は、コロナウイルスの治療薬/治療方法に関する発言を批判され憤慨、記者会見を20分弱で打ち切った。

「コロナウイルスは紫外線・太陽光に弱い。身体に強烈な光を照射してはどうか?」「消毒剤はコロナウイルスを死滅させる。体内に投与すれば、病気も完治するだろう」。医療技術に無知な大統領が場当たり的な発言を行った結果、全米中の医師、医療関係者、医療品の製造業者などから非難を浴びることになった。

ストロングアメリカの復活を目指すトランプ大統領は、治療薬等に関するコメントを「くだらない質問ばかりするマスコミへの皮肉」と説明。公式議事録には記載していないと述べた。

ロックダウンを緩和した3つの州

ロックダウンを緩和したジョージア州、オクラホマ州、アラスカ州でも、引き続く「社会的距離」を守るための措置が継続されると考えられている。また、一部の都市や地域は引き続き封鎖措置を継続すると発表した。

トランプ大統領の期待に応えたいジョージア州はボーリング場、スパ、ヘアサロン、ネイルサロン、タトゥーパーラー、その他パーソナルケア事業の再開を許可。27日には劇場や映画館、レストランの営業も再開される見通しである。

アメリカが待ったなしの状況に追い詰められていることは確かである。3月中旬以降、国内の失業者数は2,600万人を超え、人口の約15%に達し、多くの企業がビジネス再開への圧力を受けている。

経済活動の再開は世界共通の喫緊の課題である。しかし、多くの医療関係者、専門家がロックダウンを緩和することでコロナウイルスの第二波が発生すると警告している。ジョージア州のブライアン・ケンプ州知事は、ロックダウン措置が厳しすぎるとトランプ大統領から名指しで批判され、圧力に屈した。

経済活動ファースト

24日の記者会見の中でトランプ大統領は国民に対し、社会的距離の確保とマスク着用に関するルールを厳守するよう求めた。また、市民、中小零細企業に対する救援措置発動を急いでおり、4,480億ドル(約48兆円)の追加救済法案に署名したことを明かした。

これは連邦政府が発動する4度目のコロナウイルス救済法案。治療薬開発支援、医療関係機関への支援、中小零細企業への融資に振り分けられる予定である。

アメリカの感染状況は世界でも群を抜いており、25日時点で89万人以上の感染者が確認されている。ただし、スペインやイタリアを含む欧州の死亡率は、人口3億3,000万人の同国より高い。

なお、アメリカの死亡者数が激増した理由は、「コロナウイルスにより死亡したと思われる患者」も含まれているためだ。米国疾病予防管理センターは死亡者数について、感染が確認された者と「疑われる者」の両方をカウントしていると説明した。

検査体制拡充、検査数(テスト)を増やすことは、コロナウイルスの感染拡大を防ぐうえで欠かせない重要な要素である。同国のコロナウイルス対策チームのリーダーであるマイク・ペンス副大統領は、これまでに490万件の検査(テスト)を実施し、各州知事と協力して検査体制をさらに拡充中である、と説明した。

世界のコロナウイルスに関連するニュース
●25日、世界の感染者数は280万人超、死者は20万人を突破した(ジョンズ・ホプキンズ大学調査)
●アメリカの死者数、51,000人を突破
●20,000人を超える死者を出した国は25日時点で5か国
●イギリスの死者数が20,000人を突破。なお、自宅や老人ホーム等で亡くなった者はカウントされていない
●フランスの死者数は約22,000人。集中治療を受けている患者は17日連続で減少している
●WHO、コロナウイルスに複数回感染する可能性を指摘。抗体が体内にできなければ、復帰後の再感染も十分あり得る
●ニューヨーク州のクオモ州知事、薬局でのPCR検査を許可。また、4つの病院で感染者専用病棟を拡充すると発表した
●イギリス、リベンジポルノによる性被害が急増中
●ベラルーシの孤児院でクラスターが発生、政府に緊急支援を要求した

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