ベルギーの新制限／夜間外出禁止令
・10月19日発効、期間は4週間の予定。
・国内全てのバーとレストランが閉鎖。
・外出禁止時間は00:00～05:00。
・20:00以降のアルコール販売禁止。
・在宅勤務を強く推奨する。
・家族以外との接触は1日1人まで。
【欧州の感染状況／10月20日時点】
| 累計感染者 | 累計死者 | 新規感染者 （直近） | |
| フランス | 91万人 | 33,623人 | 13,243人 |
| イギリス | 74.1万人 | 43,726人 | 18,803人 |
| スペイン | 93.7万人 | 33,775人 | 15,186人 |
| チェコ | 18.2万人 | 1,513人 | 8,076人 |
| ロシア | 142万人 | 24,366人 | 15,982人 |
| オランダ | 23.6万人 | 6,768人 | 7,779人 |
| ドイツ | 36.9万人 | 9,798人 | 4,325人 |
| イタリア | 42.4万人 | 36,616人 | 9,337人 |
| ベルギー | 22.2万人 | 10,413人 | 9,138人 |
| ﾎﾟｰﾗﾝﾄﾞ | 18.3万人 | 3,614人 | 7,482人 |
| ｽﾛﾊﾞｷｱ | 30,695人 | 92人 | 860人 |
| ﾎﾟﾙﾄｶﾞﾙ | 10.2万人 | 2,198人 | 1,949人 |
| ｱｲﾙﾗﾝﾄﾞ | 50,993人 | 1,852人 | 1,037人 |
| ﾃﾞﾝﾏｰｸ | 35,889人 | 680人 | 453人 |
| ｽｳｪｰﾃﾞﾝ | 10.3万人 | 5,918人 | 596人 |
| スイス | 83,159人 | 1,837人 | 2,606人 |
保健大臣は医療崩壊の可能性を指摘
ベルギーのフランク・ヴァンデンブルック社会保険大臣は、「第二波に圧倒されている」と警告し、制限の必要性と感染予防対策の徹底を改めて呼びかけた。
保健大臣は新規症例が急増していることについて、「医療当局は事態を制御できず、津波に近い」と述べた。
感染拡大を食い止める新しい制限は19日に施行され、国内全てのバーとレストランは4週間の休業を命じられた。
ベルギーは春のパンデミックで最も深刻な被害を受けた国のひとつである。
ジョンズ・ホプキンズ大学のデータによると、同国の10万人あたりの死亡者数はペルー共和国、サンマリノ共和国に次ぎ世界で3番目に多い。
第二波はヨーロッパ全土に広がり、各国政府は対応に追われている。
イタリア政府は18日に新制限を発表。フランス、パリ他9つの都市では17日から夜間外出禁止令が施行されている。
ヨーロッパで最も感染率の高いチェコは、ロックダウンを検討している。
アイルランド共和国は21日深夜から6週間、最高レベルの制限に移行する予定である。
津波
ヴァンデンブルック社会保険大臣はRTLのインタビューの中で、首都ブリュッセルと南部地域の状況を「ヨーロッパで最も危険」と説明した。
フランク・ヴァンデンブルック社会保険大臣：
「制限に従い行動し、コロナウイルスから自分と愛する家族の身を守りなさい」
ベルギーの保健機関、Sciensanoによると、過去7日間の新規感染数の平均は約7,900件、連日最高記録を更新しており、前週から79％増加したという。
また、19日時点の陽性者の入院患者数は2,485人に達し、当局は同じ割合で患者が増加すれば、11月中旬までにICUの収容能力（約2,000）を超えると警告した。
アレクサンダー・デ・クルー首相はRTLの取材に対し、「状況は春のロックダウン決定時（3月18日）より深刻」と語った。
他国の状況
第一波の制御に成功したと称賛されたポーランドでは、先週、新規陽性数が10,000件近くまで増加した。
患者の急増に伴い政府は、ワルシャワの国立競技場に野戦病院を開設し、各地のドライブスルーPCR検査所に軍隊を配備すると発表した。
アダム・ニェジェルスキ保健相は声明の中で、「他の主要都市も野戦病院の設置を進めている」と述べた。
アダム・ニェジェルスキ保健相：
「新規感染数が15,000～20,000件に達することを想定し、準備を進めている」
政府当局は市民に自宅待機を呼びかけ、レストランは営業時間短縮を命じられている。また、大学と中等学校はオンライン授業への移行を指示された。
チェコ共和国の第二波も激しさを増している。
16日の新規感染者数は過去最高を大きく更新する11,100件を記録。ヨーロッパ疾病予防管理センター（ECDC）は、同国の10万人あたりの感染者数および14日間の累計数は、大陸で最も多いと報告した。
・チェコ共和国で”グッバイコロナウイルスパーティ”が盛大に催される
ECDCの報告によると、チェコの10月以降のコロナ関連死者数は、過去8カ月の合計より多いという。
現在、レストランとバーはテイクアウトのみ許可され、学校はオンライン授業に変更。劇場、スポーツクラブ、映画館なども全て閉鎖された。
18日、カレル・ハヴリーチェク副首相は記者団に対し、次のように述べた。
カレル・ハヴリーチェク副首相
「政府はロックダウンを検討する前に、制限の効果をしっかり見極めると言った」
首都プラハでは、ウルトラス（サッカーの熱狂的なサポーターグループ）と呼ばれる過激派サポーター約2,000人が制限に反対するデモを起こし、警察と衝突した。
【フランス】
17日の新規陽性数は過去最高を更新する32,427件、予定通り夜間外出禁止令が施行された。
・非常事態を宣言したフランスの一部地域で夜間外出禁止令が施行
【スイス】
19日から公共スペース（屋内）でのマスク着用が義務化される。また、集会人数を15人以下に制限。
【アイルランド】
19日に新しい制限を発表する予定。政府は「重要でない全ての事業を閉鎖する」と示唆している。
【ドイツ】
17日の新規陽性数が過去最高を更新。メルケル首相は国民に対し、可能な限り自宅にとどまるよう要請した。
【オランダ】
国王のコロナ封鎖旅行に対しマルク・ルッテ首相は、「よいアドバイスを与えるべきだった」と非を認めた。
・閉鎖命令中にギリシャ旅行を決行したオランダ王室に非難が集まる
