何千人もの人々がロックダウン解除を求めて政府に抗議した

首都マドリードの抗議者たちは、社会労働党のペドロ・サンチェス首相の辞任を求める千人規模のデモ集会を開催した。社会的距離を確保するため、抗議者たちは車内から国旗を振り回し、隊列は大渋滞を引き起こした。

極右政党VOXは抗議者たちに対し、社会的距離の確保を優先させ、車から抗議運動を行ってほしいと促していた。

スペイン政府は3月14日からロックダウンを開始。欧州で最も厳しいレベルの規制措置を実行していたが、4月末頃から感染者および死者は徐々に減少、これに伴い一部地域限定で段階的な緩和を始めた。しかし、首都マドリードとバルセロナでは深刻な状況が続いており、両地域は緩和地域の対象から除外されていた。

経済活動再開の声が日増しに強まり、政府は首都マドリードとバルセロナのロックダウン緩和を25日から始めると発表。最大10人までの食事や集会(屋外限定)を可能にし、一部店舗の営業も再開される予定である。

ホテル、バー、レストラン、ビーチ、サッカー場、その他のあらゆる施設を閉鎖した結果、コロナウイルスは徐々に抑え込まれた。3月中旬から末頃に見られた感染者の異様な増加も止まり、パンデミックは緩やかに収束しつつある。

23日、極右政党を支持する抗議者たちは、仕事と経済活動再開を求め、ロックダウン解除を求めるデモ集会を決行した。

彼らの主張は、今回の措置で大切なものを失った人々に向けられている。3月だけで約100万人の雇用が失われ、同国の経済は今年1年で最大12%縮小すると予想されている。ロックダウンを完全に解除し、3月以前の状態に戻すことが最優先事項だと抗議者たちは声を大にして叫んだ。

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経済活動再開

今回のデモ集会を受けVOX党は、「自営業者と企業で働く労働者を放棄し、失業と悲惨な状況を作り出した政府への抗議を開始する時がきた」とコメントを発表した。

VOXのサンティアゴ・アバスカル党首は、抗議者たちを率い、スカイバスで演説を行った。同氏はラジオ放送の中で、「政府は地球全体を覆うコロナウイルスの管理と感染予防対策に失敗した。責任は全て彼らのある。政府に対し辞任を要求する方々は、行動を起こすべきだ」と支持者たちに呼びかけた。

セビリア、バルセロナ、その他の地方都市でも同様のデモ集会が開催され、スペインの国旗を振り回す車が公道を占拠。隊列を組み、警笛を鳴らしながら街中を進んだ。

また一部の者は、プラカードを掲げながら車の隊列に続き行進した。なお、大隊を組んで行進した者の多くがマスクを着用しておらず、社会的距離も確保していなかった。

イギリス、アメリカ、ブラジルなどでも同様のデモ集会が幾度となく開催されているが、抗議者の多くは感染予防対策を無視し、「経済活動の再開だけに全力を注げ」「コロナウイルスなど怖くない」と言わんばかりの勢いで叫び続けている。

サンチェス首相のリーダーシップ、政策に対する抗議が全国で発生する中、政府は新たなロックダウンの緩和措置を発表した。

首相は、「7月を目途に外国人観光客の受け入れを再開する予定である。パンデミックの影響で航空産業、観光産業、観光地で働く人々、ホテル、バー、飲食店、あらゆる店舗が自粛を余儀なくされたが、外国人観光客を受け入れれば、経済活動再開に大きく前進するだろう」と述べた。

また、「スペインサッカー1部、ラ・リーガの再開時期は6月8日になる見込みである。本来のあるべき姿、日常を取り戻す時がきた」と付け加えた。

ラ・リーガ再開予定の発表はスペイン人を歓喜させた。セビージャFCとレアル・ベティスのセビリアダービーが最初の試合になると報告され、合わせて2部リーグも再開される予定だという。

20日、サンチェス首相は議会の承認を得て、非常事態を6月6日まで延長した。スペインはコロナウイルスの発生によって最も大きな被害を受けた国のひとつであり、約234,000人の感染者を確認。28,000人以上が死亡している。

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