◎世界保健機関(WHO)の調査チームは、2019年12月に湖北省武漢市で確認された174人のコロナ患者に関するデータを求めていたが、中国は提出を拒否した。
2021年2月 ロイター通信/中国湖北省武漢市、WHO調査チームのドミニク・ドワイアー教授

報道によると、中国は湖北省武漢市でコロナウイルスの起源を調査している世界保健機関(WHO)の調査チームに重要なデータを提供しなかったという。

調査チームのひとり、微生物学者のドミニク・ドワイアー教授はロイター通信、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズの取材の中で、「私たちはウイルス発生初期の患者のデータを要求した」と語った。

ドワイアー教授によると、中国当局はデータではなく発生時の概要のみを提出したという。

中国当局は教授の発言に反応していないが、WHOの調査に協力し全面的に協力すると以前述べていた。

アメリカは中国当局がWHOに提出したデータに深い懸念を持っていると述べ、発生初期段階のデータを提供するよう中国に求めている。

2月9日、WHOの調査チームはコロナウイルスが武漢市のウイルス研究所から漏洩した可能性は非常に低いという結論に達し、トランプ前大統領の物議を醸す発言を却下した。

武漢市はコロナウイルスを世界で最初に検出した場所である。

2021年 ロイター通信/中国湖北省武漢市のウイルス研究所

ドワイアー教授はロイター通信の取材に対し、「調査チームは2019年12月に武漢市で確認した174人のコロナ患者に関するデータを求めていました」と語った。

ドミニク・ドワイアー教授:
「初期の症例の約半分がコロナウイルスを最初に検出した海鮮市場で発生したものでした。私たちは海鮮市場のデータを求めています」

「中国当局はデータを提供せず、理由も説明しませんでした。政治、時間、その他の問題...データを提供できない理由は様々だと思いますが、私たちには分かりません。手に入らなかった初期の症例については、推測するしかありません」

調査に参加したデンマークの疫学教授のシーア・コルセン・フィッシャー教授はニューヨークタイムズの取材の中で、「調査は政治に支配されていた」と述べた。

シーア・コルセン・フィッシャー教授:
「各国の政府が調査を受け入れるよう中国に圧力をかけました。しかし、私たちの手元に届いたデータは限られています」

WHOによると、中国当局の非協力的な対応は最終報告書に記載される予定だという。

調査チームは1月初めに武漢入りし、厳しい検疫をクリアしたのち、調査を開始した。なお、調査チームは中国当局の厳しい監視下に置かれていた。

ニューヨークタイムズによると、中国の当局者は初期のデータへのアクセスを断固拒否し、調査チームとの口論に発展したという。

WHOは先月の中間報告の中で、「発生初期段階(2019年末)の公衆衛生対策は極めて厳しかった可能性がある」と指摘し、中国当局の対応を非難した。

WHOは「コロナウイルスが冷凍食品の輸送を通じて拡散した」という中国の専門家の考えについて、さらに綿密な調査が必要と主張している。

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