◎保健当局によると、15の州のICUがほぼフル稼働状態で、重症者を受け入れる余裕はほとんどないという。
3月16日、ブラジル最大の都市サンパウロ州の保健当局は、州内のコロナウイルス患者および死者の急増を受け、新しい保健相にロックダウンを検討するよう要請した。
保健当局のまとめによると、ブラジルの15日の死亡者数は過去最高を更新する2,841人だったという。また、同日のサンパウロ州の死亡者数も過去最高の679人だった。
ブラジルの新規感染者数と死亡者数は昨年10月から11月にかけて一時的に減少したが、変異種の感染拡大やジャイール・ボルソナロ大統領の怠慢政策の影響で再び悪化した。
ボルソナロ大統領はパンデミック以来保健相をコロコロ変えており、先日、4人目にマルセロ・ケイロガ氏を指名した。
ボルソナロ大統領は各州知事が導入している検疫措置に反対し続けており、ロックダウンが経済にもたらす被害はコロナの影響より深刻と主張している。
ケイロガ氏は16日の声明で市民にマスクを着用するよう促したが、政府主導のロックダウンについては、「政府が封鎖を命じることはない」と述べた。
この発言にサンパウロ州の保健当局は声明で、「集中治療室(ICU)の占有率を見れば、措置が必要なことは一目瞭然です」と強く反発した。
「ケイロガ保健相は就任(3月17日)と同時に危機に直面するでしょう。どうかロックダウンに反対しないでください」
保守的なボルソナロ大統領は一貫してコロナウイルスの危険性を軽視してきた。先週、大統領は演説の中で、「泣き言を言うな」と市民を叱りつけている。
ブラジルの累計感染者数は3月16日時点で1,160万人以上、累計死亡者は282,000人を超えた。
症例の急増はアマゾンの都市マナウスで発生したと考えられている変異種によるもので、国内のウイルスはほぼ変異種に置きかわったと伝えられている。
地域の医療システムは崩壊の危機に瀕しており、保健当局によると、15の州のICUがほぼフル稼働状態で、重症者を受け入れる余裕はほとんどないという。
ボルソナロ大統領はワクチン展開でも非難に直面している。アストラゼネカとシノバックワクチンの接種は始まっているが、展開は思うように進んでおらず、ファイザー、J&J、スプートニクVの入荷時期は明らかにされていない。保健当局によると、3月16日時点で成人の約4.6%が1回目の接種を終えたという。