◎地球最後の秘境と呼ばれる人口約80万人の仏教王国は20日、ユニセフに「世界最速」と称賛されたワクチン接種キャンペーン第二弾を開始した。
ヒマラヤの麓に位置するブータン王国は27日、国内の成人の約90%がコロナワクチン接種を終えたと発表した。
地球最後の秘境と呼ばれる人口約80万人の仏教王国は20日、ユニセフに「世界最速」と称賛されたワクチン接種キャンペーン第二弾を開始した。
ブータンは4月にインドから提供されたアストラゼネカワクチン55万回分を約2週間で使い切り、世界保健機関(WHO)や国連などから称賛された。
しかし、アストラゼネカワクチンの主要サプライヤーであるインドで感染爆発が発生し、インド政府は国内のワクチン接種を加速させるために同ワクチンの輸出を停止したため、ブータンは数カ月間ワクチン不足に悩まされた。
ブータンの保健大臣、デチェン・ワンモ氏はAP通信の取材に対し、「関係各国の温かい支援に心から感謝します」と語った。「私たちの目標は大規模な公衆衛生危機を回避するために、可能な限り短い時間で集団免疫を達成することです...」
ブータンは国連やWHOなどが主導するCOVAXファシリティやアメリカなどの支援を受け、ワクチン接種キャンペーンを再開することができた。COVAXはファイザーワクチン5,000回分、アメリカはモデルナワクチン50万回分を寄付した。
また、デンマーク、クロアチア、ブルガリアも合わせて40万回分以上のアストラゼネカワクチンを寄付した。
専門家はブータンの成功について、「最大の勝因は人口が少ないことだが、政府高官の効果的なメッセージとワクチンの運送システムを確立できたことも大きかった」と指摘した。
AP通信によると、今回のキャンペーンには3,000人以上の医療従事者が参加し、約1,200会場で接種を行ったという。ワクチンタスクフォースのメンバーであるソナム・ワンチュク博士は、「山の頂上にある集落まで数日かけて歩き、住民にワクチンを接種しました」と語った。
ブータン政府は医療の専門家が率いている。首相、外務大臣、保健大臣はすべて元医療専門家であり、彼らはソーシャルメディアなどを駆使してコロナウイルスとワクチン接種に関する国民からの質問に直接回答し、メッセージを発信し、ワクチン接種をためらう人々を効果的に説得した。
ワンチュク博士はAP通信に、「国民はワクチン接種を熱望していました」と語った。
ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチャック龍王もコロナワクチンを強く支持しており、キャンペーンの効果を伝える全国ツアーを行った。
ブータンの成功はインドやバングラデシュなどの南アジア諸国で発生した混乱とは正反対であり、医療専門家は「とてつもないこと」と称賛した。
ブータンのユニセフ代表を務めるウィル・パークス氏は、発展途上国にワクチンを寄付できる豊かな国の重要性と、「政府および地域社会の正しい働きかけがワクチンの展開に大きな影響を与える」と強調した。「ブータンの成功はパンデミックに悩まされている他国の希望の光になる可能性があります...」
ブータンのコロナウイルス累計感染者数は7月27日時点で2,489件、累計死亡者は2人。