400万エーカー

アメリカ西海岸、カリフォルニア州の山火事は史上最悪ペースで森林、建造物、車、病院、ありとあらゆるものを燃やし尽くしている。

州当局によると、10月4日時点で同州の年間累計焼失面積は400万エーカーを突破し、統計開始以来最悪となった2018年の記録の倍以上に達したという。

・400万エーカ=16,187.44平方キロメートル
東京ドーム346,218個分
琵琶湖面積の24.15倍
東京都面積の7.4倍

カリフォルニア州森林防火局のトム・ポーター局長は記者団に対し、「今年の記録は史上最悪をさらに更新した。しかし、2020年はまだ3か月残っている」と語った。

10月3日、炎の勢いは一向に衰えず、わずか1日で245,000エーカーが焼け野原になった。そして翌日、同州の累計焼失面積は統計統計開始以来初となる400万エーカーを突破した。

現在、消防士たちは州各地に分散し、消火活動を継続中である。なお、炎は8,100カ所以上で燃え続けており、これまでに数十万人が避難を余儀なくされている。

消防当局によると、州全体で31人の死亡を確認し、住宅4,600戸以上、病院、商業施設、繁華街などが破壊されたという。

2020年9月28日 AP通信/カリフォルニア州サンタローザ、スカイホーク地区の住宅街

10月4日、州全体で新たに20件以上の火災が発生、乾燥と強風の影響で燃え広がりつつあるという。

今年最大の焼失面積を記録している火災は、8月16日の落雷で着火し、4日までに100万エーカー以上を焼失させた北カリフォルニアの複合火災である。
デスバレーの気温が54.4℃に達する

北カリフォルニアの森林を焼き尽くす炎は”オーガスト・コンプレックス”と名付けられ、メンドシノ、ハンボルト、トリニティ、テハマ、グレン、レイク、コルサの各郡で今なお燃え続けている。

消防当局によると、今最も気にかけている山火事は、ソノマ郡とナパ郡の一部で燃えている”グラス・ファイア”だという。

グラス・ファイアは9月27日の着火以来、10月4日までに約65,000エーカーを焼き、少なくとも826戸の建造物や住居を破壊した。

なお、焼失した建物とエリアには、ワイン産地として有名な家屋約200戸とワイナリーも含まれている

消防士たちの奮闘もむなしく、グラス・ファイアは乾燥の影響で勢いを増し、消火率は17%ほどに留まっている。これにより、ナパ郡北部の一部地域で追加の避難命令が発表された。

2020年10月2日 ロイター通信/カリフォルニア州カリストガ、消火活動を監視する消防士

グラス・ファイアは毎年強風に悩まされているソノマ郡とナパ郡で活発に燃え続けており、地形の傾斜も勢いに拍車をかけている。

雨不足による超乾燥状態、非常に暖かく乾燥した空気などの諸条件が組み合わさり、炎は大きく成長。森林だけでなく、地域の重要な産業・観光資源だったワイナリーまで焼き尽くした。

国立気象局によると、北カリフォルニアの乾燥は改善せず、炎の勢いはさらに増すと予想。一部地域に火災危険警告を発表した

一方、気象学者は今週、北カリフォルニアの気温低下と降雨を予想している。

2020年10月3日 ロイター通信/カリフォルニア州カリストガ、ボセナパバレー州立公園、ヘリ放水の様子

グラス・ファイアは28,000戸以上の住居や他の建造物を脅かしており、現在小康状態にある風が再び強まれば、市街地に到達する可能性も十分にあり得るという。

カリフォルニア州消防指令長官のマーク・ブラントン氏は次のように述べた。

マーク・ブラントン氏:
「これまでのところ、我々が予想していた規模の風は吹いていない。しかし、突風は間違いなく発生する。炎は今なお各地で燃え広がっており、弱風のうちにできる限り炎を抑え込まねばならない」

サンフランシスコの北約110km、ナパ郡の丘に位置する人口5,000人の町には、温泉、商業施設、ワイナリーなどの重要な産業・観光資源があり、多くの消防士と消防設備が配備されている。

現在、カリフォルニア州およびその周辺では、17,000人以上の消防士が巨大な山火事と戦っている

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