54.4℃

カリフォルニア州のデスバレー国立公園は、地球歴代最高気温を更新する54.4℃に達した可能性があると発表した。

なお、地球上で「正確に測定された」歴代最高気温は54℃(2016年:デスバレー)だった。

非公式記録(主張含む)の中には80℃を超えた、というとんでもない記録も存在するが、今回、現代のテクノロジーで正確に測定された公式記録えを塗り替えた可能性が高いという。

デスバレー国立公園は、今週さらに暑くなると予想されているアメリカ西海岸の猛熱波の真っただ中にある。

8月15日、カリフォルニア州の発電でトラブルが発生。人々は焼けつくような暑さの中で2日間の停電生活を余儀なくされた。

デスバレー国立公園で働くブランディ・スチュワート氏はBBCの取材に対し、「猛烈な暑さに直面している」と汗をぬぐいながら語った。

スチュワート氏は国立公園の管理業務等を行っている。例年、8月は室内で過ごす時間が多くなるという。

「外を歩くと、ドライヤーの熱風が当たっているような感覚に陥る。空気が熱く、呼吸する度に体温が上がるように感じる。全てがアツい・・・」

今回の54.4℃は、デスバレーのファーネスクリークで記録された。

約1世紀前に同地で56.7℃という超高温が記録されているものの、測定方法などに問題があると考えられ、非公式扱いになっている。

また、同じく1世紀近く前に他国で記録された驚異的な高温についても、現代の気象専門家は「誤りだらけ」と指摘している。

気象歴史学者のクリストファー・バート氏が行った調査によると、1913年に記録されたデスバレーの公式歴代最高気温と信じられている56.7℃は、正確性に欠けるものだという。

また、1931年にチュニジアで記録されたと信じられている55℃についても、「論外」と指摘。植民地時代のアフリカで記録された非公式記録には、信頼性に致命的な問題があると述べた。

ちなみに、非公式の歴代最高気温はデスバレーのファーネスクリークで記録された93.9℃。恐らく、そこにいるだけで全身の皮膚がやけどを負ったような状態になり、死んでしまうはずだ。

太陽光線で激しく熱せられた岩やアスファルト面の温度を測定すれば、この記録に近い値を出すことができるかもしれない。しかし、公式記録として認められることはないだろう。

現在、アメリカの熱波はアリゾナ州から南西に伸び、沿岸から北西部のワシントン州に達している。

猛烈な暑さは8月17日と18日でピークを迎え、週の後半には下がり始めると予想されている。しかし、上空に熱波の残骸が留まる影響で、高温状態は少なくとも10日以上続くという。

高温に包まれたカリフォルニア州ラッセン郡では大きな山火事が発生し、森林消防隊が消火活動にあたっている。

今、デスバレーがアツい

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ホットサマー

カリフォルニア州の電力を管理する独立系システムオペレーター(CISO)は、「電力需要が供給を上回り始めた」ことを意味する緊急事態(ステージ3)を宣言した。

同州内の電力の多くは太陽光と風力に依存しており、猛烈な熱波に伴うエアコン使用量の爆発的な増加が電力網大きな影響を与える可能性が高いという

当局は電力需要を厳しく監視し、必要に応じて計画停電を実施すると述べた。

アメリカ疾病予防管理予防センター(CDC)によると、毎年アメリカを襲う猛烈な熱波は、気象異常(ハリケーン、洪水、雷、大雪など)の中で最も多くの命を奪っているという。

猛烈な直射日光と高温は、熱性けいれん、脱水症状、そして、屋内外を問わず最も警戒しなければならない「熱中症」を人体にもたらす。

また、高温に長時間さらされることで、呼吸器疾患、心臓の疾患、腎臓障害などの基礎疾患を極度に悪化させる可能性がある、と世界保健機関(WHO)は警鐘を鳴らしている。

インフラに与える影響も考慮しなければならない。高温状態続くと電力網への負担が増加し停電、ブラックアウトすれば、街全体に甚大な影響を与えるだろう。

また、極度の高温は航空機の性能を低下させる。さらに、アスファルトは溶け、車内は危険なレベルの高温に達する。

農業に深刻な影響を与えることは言うまでもない。極度の高温により野菜はしおれ、植物病の蔓延を促進する。雨が長期間降らない場合は、壊滅もあり得る

8月初め、アメリカ国立気象局(NWS)は、南西部地域で生命を脅かすレベルの熱波が発生すると警告していた。

NWSの担当者によると、カリフォルニア州南部では気温が50℃近くに達し、それが夏の間、常態化すると述べた。

同じく、ユタ州、アリゾナ州、ネバダ州の一部でも、50℃近い猛烈な暑さになる可能性が高いという。

NWSは、気象情報をよく確認し、高温に関する警戒情報が出ている時間帯は屋内で安全対策を講じてほしいと述べた。

8月に入り、アリゾナ州フェニックスで歴代最高気温を更新(46℃)するなど、各地で記録更新が相次いでいる

今年の夏はコロナウイルスの影響でマスクが必須アイテムになった。着用を義務化されているエリアもあるため、熱波に注意しつつウイルスにも警戒しなければならない。

マスクを着用すると、顔だけでなく全身の体温が上昇する。暑い環境下だとこの現象に拍車がかかるため、暑いと感じる前に水分や塩分を補給することが大切だ。

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