◎報道によると、ファイザー社とBioNTech社は6日に開催された国際オリンピック委員会(IOC)との会談で覚書に署名し、各国の選手、コーチ、関係者、スタッフ、幹部、政府高官、ゲストにファイザーワクチンを寄付することが決まったという。
5月6日、ファイザー社とBioNTech社は7月23日に開幕する東京2020オリンピックとパラリンピックに出場する各国の代表選手などに同社のワクチンを提供すると発表した。
報道によると、両社は6日に開催された国際オリンピック委員会(IOC)との会談で覚書に署名し、各国の選手、コーチ、関係者、スタッフ、幹部、政府高官、ゲストにファイザーワクチンを寄付することが決まったという。
両社はIOCと協力して世界中の国内オリンピック委員会とワクチン接種に向けた調整を進める予定である。一部の医療専門家は、「少なくとも日本に入国する各国の代表選手および関係者は、必ずコロナワクチンを接種しておくべき」と主張していたが、IOCと日本の組織委員会は出場条件にワクチン接種を含めていない。
選手と関係者にワクチンを提供するかどうかは各国の判断に委ねられている。ファイザーワクチンの配送は5月末に始まる予定。
IOCが先日公開した東京五輪のプレイブック(第2版)によると、代表選手の出場条件にワクチン接種は含まれていない。IOCと国際パラリンピック委員会は以前の声明で、「各国の国内オリンピック委員会は、自国の政府が定めたワクチン接種順位を尊重する必要がある」と述べていた。
覚書によると、今回の寄付がファイザーワクチンの供給に影響を与えることはないという。
IOCのトーマス・バッハ会長は6日の声明で、「ファイザーワクチンは東京五輪を安全かつ確実に開催するために役立つだろう」と述べた。「IOCは東京五輪およびパラリンピックに出場する各国の代表団にファイザーワクチンを接種するよう呼びかけています。ワクチン接種は個人の健康だけでなく、地域社会との連帯と幸福への配慮を示す強力なメッセージを発信することになるでしょう」
ワシントン・ポスト紙は5日に公開したコラムの中でバッハ会長とIOCの高官を偽善者と呼び、ホスト国の日本を踏み台にしてスポンサーから利益を得ることに決めたと非難した。また、日本の指導者も大会の中止を決断できずにいると批判したうえで、「開催のツケは最前線で働く医療従事者が背負わされる」と述べた。
日本のコロナワクチン接種は極めて順調に進んでおらず、5月7日時点で少なくとも1回ワクチンを接種した市民は人口の約2%にとどまっている。
報道によると、政府にコロナ関連の助言を行っている分科会は、東京都、大阪府、京都府、兵庫県の4都府県に出している緊急事態宣言の期限を5月11日から5月31日に延長することを了承したという。また、新たに愛知県と福岡県も緊急事態宣言の対象地域に追加されることが決まった。
東京五輪は7月23日、パラリンピックは8月24日に開幕する予定。
<東京2020選手と職員のプレイブック(第2版)の要点>
・母国を離れる前に2回コロナ検査を行う。
・入国時の検査で陰性をチェックする。
・選手は出国するまで毎日検査を行う。
・関係者は入国から3日間毎日検査を受け、以降は必要に応じて検査するかどうかを判断する。
・移動は専用車両を使用。公共交通機関の利用は入国から14日間禁止。
・選手の食事は定められた場所でのみ許可される。
・入国時の14日間の検疫ルールは免除される。ただし、大会期間中のスケジュールを組織委員会に提出し、専用のアプリ(COCOA)を使用して体調と行動をチェックする必要がある。
・会場の収容人数は6月に決定。
・海外のファンの入国は予定通り禁止。